最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 2000年代前半のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA) | トップページ | 2010年代のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA) »

2020年12月26日 (土)

2000年代後半のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA)

今回は前回「2000年代前半のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA)」に引き続いて、2000年代後半のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA)についてです。
これまで同様に、英語版ウィキペディアや英語のサイト「ウイングアビエーション」、雑誌「世界の傑作機」などを参考に纏めてみました。

第二次大戦後のイギリス空軍(RAF)及びイギリス海軍航空隊(FAA)の連載記事の一覧表はこちらへ

ではまず、2006年末時点におけるRAFの戦力概要について。

戦闘機飛行隊:推定4個:
ユーロファイター・タイフーンF.2飛行隊 x 1個(No3飛行隊)
パナピア・トーネードADV(F.3)飛行隊 x 3個(No25. 43. 111.の各飛行隊)

トーネードADVに代わる待望の新型戦闘機タイフーンは、2002年9月に同機の運用評価及び予備飛行隊のNo17が再編、翌2003年には作戦転換兼予備飛行隊のNo29が再編されています。
タイフーン最初の実戦飛行隊No3は2006年4月に再編されていますが、当時の装備機は空対空戦闘能力のみのF.2でした。
タイフーンF.2装備のNo3飛行隊は2007年6月からイギリス本土において緊急発進任務に就いていて、同機の戦力化が軌道に乗り始めています。
2007年3月にはタイフーン装備の二個目の部隊であるNo11飛行隊が再編されていて、この部隊は2008年7月にマルチロール飛行隊として宣言されています。
タイフーンのマルチロールタイプはFGA.4なので、この時点でFGA.4の一応の戦力化ということになるのかどうか。
2009年後半にはフォークランド防衛任務に就くNo1435小隊が装備機をトーネードF.3からタイフーンFGA.4に改編しています。

タイフーンへの置き換えが始まったトーネードF.3は2006年末時点で実戦三個飛行隊と作戦転換兼予備部隊のNo56飛行隊、そしてフォークランド防衛用のNo1435小隊ですが、この小隊は前述のように2009年後半にタイフーン装備に変わっています。
この後、作戦転換用のNo56飛行隊が2008年4月に解散したことでトーネードADVはいよいよ本格的な減勢体制に移行し、No25飛行隊は2008年5月、No43飛行隊は2009年6月にそれぞれ解散。
2000年代末には唯一No111飛行隊が残るのみとなりました。

攻撃機飛行隊:推定10個:
パナピア・トーネードIDS(GR.4)飛行隊 x 7個(No2. 9. 12. 13. 14. 31. 617.の各飛行隊)、SEPECAT ジャガーGR.3飛行隊 x 1個(No6飛行隊)、BAE・ハリアーGR.7/9飛行隊 x 2個(No1. 4. の各飛行隊)

RAFストライクコマンドの航空打撃力の主柱であるトーネード攻撃機は、夜間攻撃能力向上を初めとした大規模アップグレード型のGR.4への改装が終了しています。
しかしタイフーンのマルチロールタイプFGA.4の配備開始に伴って、トーネードIDSの部隊もいよいよ減勢が始まって2011年5月にNo13飛行隊、6月にNo14飛行隊が解散して同機の実戦飛行隊もいよいよ片手で数えられる数になってしまいました。
なおトーネードIDS装備の部隊としては、他に作戦転換及び予備飛行隊のNo15があります。

1970年代半ばから実戦配備されていた英仏共同開発のジャガー攻撃機はついに最後の時を迎えていて、同機装備の最後の飛行隊No6が2007年5月に解散し、RAFにおけるジャガーの運用にピリオドが打たれました。

2000年からRAFのNo3グループの指揮下でFAAのシーハリアー飛行隊との統合運用が行われていたRAFのハリアーⅡ飛行隊は、No3飛行隊が2006年にタイフーン戦闘機への機種改編を実施したことで実戦二個飛行隊と作戦転換兼予備飛行隊一個(No20)の体制に変わっています。
これらハリアーⅡ部隊は2018年まで運用する計画だったようですが、イギリスの国防戦略の大幅見直しの嵐に巻き込まれる形で早期退役が決定。
作戦転換部隊のNo20飛行隊と実戦部隊のNo4飛行隊が2010年3月に解散して、No4飛行隊はすぐにハリアーの作戦転換及び予備飛行隊として再編されます。
これでRAFのハリアー実戦飛行隊はNo1飛行隊のみとなり、2011年1月にNo4飛行隊と共に解散。
これでRAFにおけるハリアー運用にピリオドが打たれたのでした。

偵察飛行隊:推定0個:
長期に渡って高高度偵察/電子偵察任務に就いていた古強者のイングリッシュ・エレクトリック・キャンベラPR.9を運用するNo39飛行隊は2006年7月に解散。
1950年代前半から続いていたキャンベラ・ファミリーのRAFにおける運用にもついにピリオドが打たれたのでした。

早期警戒管制飛行隊:推定1個:
ボーイング・セントリーAEW.1飛行隊 x 1個(No8飛行隊)

戦術輸送飛行隊: 推定5個:
C-17A グローブマスターIII飛行隊 x 1個(No99飛行隊)
ロッキード・ハーキュリーズ飛行隊 x 4個(No24. 30. 47. 70.の各飛行隊)

縮小していく一方のRAFにおいて唯一増強されているのが戦術輸送機の分野で、2002年に就役した最新鋭輸送機のC-17と新型のC.4及びC.5への改編が進むハーキュリーズ飛行隊の計五個飛行隊が任務に就いています。
しかしそれもつかの間、2010年9月にはハーキュリーズ装備のNo70飛行隊が解散して、戦術輸送飛行隊は四個になっています。

戦術輸送ヘリコプター飛行隊:3個:
ボーイング・チヌークHC.2飛行隊 x 3個(No7. 18. 27.の各飛行隊)
No7飛行隊が2001年4月に編成されたイギリス陸軍との合同部隊「合同特殊作戦航空団」(JSFAW)の指揮下に入っているのはこれまでと同様です。
戦術輸送任務を帯びるヘリコプター部隊としては他に、フォークランド駐留でチヌークと捜索救難型シーキングの混成編成のNo78飛行隊とマーリンHC.3装備のNo28飛行隊が存在しましたが、No78飛行隊は2007年にフォークランド駐留の任を解かれてイギリス本国に帰還して装備機材をマーリンHC.3に更新しています。

海上哨戒飛行隊:推定2個:
BAE・ニムロッドMR.2飛行隊 x 2個(No120. 201. の各飛行隊)
ニムロッド飛行隊は他に作戦転換部隊のNo42飛行隊が存在します。
ニムロッドのMR.2からMRA.4への大規模アップグレード計画は、中古機の改造に付き物の機齢の余命と改造経費を再検討した結果、2010年10月に計画中止になってしまいました。
電子機器にもエンジンにも主翼にも大胆に手を入れて今なお現役の米空軍のB-52爆撃機のようにはいかなかったのですな。

空中給油飛行隊:2個:
ロッキード・トライスターKC.1/K.1装備のNo216飛行隊、ヴィッカース・VC10K装備のNo101飛行隊

一方、2006年末時点におけるイギリス海軍航空隊(FAA)の800番台実戦飛行隊の概要です。

戦闘攻撃飛行隊 x 1個:
BAE・ハリアーGR.9飛行隊 x 1個(No800飛行隊)

シーハリアーFA.2装備の最後の飛行隊No801が2006年3月に解散して、ついにシーハリアーのFAAにおける運用にピリオドが打たれた一方で、2004年春に解散したNo800飛行隊はこの年の3月にハリアーGR.9装備の飛行隊として再編されています。
ハリアーからタイフーンに改編したRAFのNo3飛行隊から機材を譲られた形の再編です。
解散したNo801飛行隊も当初の予定ではNo800と同様にハリアーⅡ飛行隊として再編の予定でしたけれど、主に人員不足が原因で実施できず要員はNo800に移籍しています。
この措置でNo800飛行隊はその規模を拡大し、RAFのハリアー飛行隊二個と共に「海軍攻撃航空団」(NSW)を編成しています。
このNSWがイギリス海軍の空母に展開するのですが、国防戦略の大幅見直しでRAFとFAAのハリアー部隊は予定よりも8年も早い2010年中の解散が決まってしまいます。
結局、FAAのハリアー部隊No800は2010年後半に解散、RAFのハリアー部隊も2011年1月に解散してイギリス海軍のインヴィンシブル級空母の艦上から固定翼機が姿を消してしまったのです。

多用途ヘリコプター飛行隊 x 5個:
アグスタウェストランド・マーリンHM.1飛行隊 x 4個(No814. 820. 824. 829.の各飛行隊)
ウェストランド・リンクスHAS飛行隊 x 1個(No815飛行隊)

マーリン多用途ヘリコプターの実戦飛行隊3個(No814と820、829)及び作戦転換飛行隊1個(No824)とリンクス装備のNo815飛行隊の体制には変化無しです。

早期警戒ヘリコプター飛行隊 x 3個:
ウェストランド・シーキングAEW飛行隊 x 1個(No849、854、857の各飛行隊)

シーキングAEW飛行隊は2006年12月にNo854とNo857飛行隊が新編されていますが、これはNo849飛行隊を構成する三個の飛行小隊の内二個小隊が独立して飛行隊に格上げになったものです。
部隊管理上の問題なのか空母展開に関する戦術的問題なのか、この措置はよくわからないところなのです。

輸送ヘリコプター飛行隊 x 2個:
ウェストランド・シーキングHC飛行隊 x 2個(No845とNo846飛行隊)

武装偵察・軽輸送飛行隊 x 1個:
ウェストランド・リンクスAHとガゼルの混成部隊No847飛行隊

コマンドー部隊を支援するこれら三個飛行隊は従来通りの編成です。

次回は最終回「2010年代のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA)」です、ではまた。

« 2000年代前半のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA) | トップページ | 2010年代のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA) »

イギリス軍」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 2000年代前半のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA) | トップページ | 2010年代のイギリス空軍(RAF)とイギリス海軍航空隊(FAA) »

2021年5月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー