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2020年8月30日 (日)

1970年代後半のイギリス空軍(RAF)

今回は前回から引き続いて、1970年代後半のイギリス空軍(RAF)です。
これまで同様に、英語版ウィキペディアや英語のサイト「ウイングアビエーション」、雑誌「世界の傑作機」などを参考に纏めてみました。
では1976年末時点におけるRAFの戦力概要についてです。

戦闘機飛行隊:推定10個:

マクダネル・ファントムFGR.2飛行隊 x 5個(No23. 29. 41. 56. 111.の各飛行隊)
マクダネル・ファントムFG.1飛行隊 x 1個(No43飛行隊)
BAC・ライトニングF.6飛行隊 x 2個(No5. 11.の各飛行隊)
BAC・ライトニングF.2A飛行隊 x 2個(No19. 92飛行隊)

1969年からRAFへの配備が開始されたファントムFGR.2は、配備当初はイギリス本国の航空支援コマンドとRAFG(ドイツ駐留イギリス空軍)における戦術攻撃及び戦術偵察任務でしたけれど、それら部隊は1974年から配備を開始した英仏共同開発の戦術攻撃偵察機ジャガーに逐次機種改編や再編を行って、この時点ではファントムはRAFGからは一旦退いて五個飛行隊全てがイギリス本土にあり、イギリス本土防空任務にストライクコマンド指揮下のNo11グループ(かつてのファイター・コマンド)所属で四個、同じくNo38グループ(かつての航空支援コマンド)に一個(戦術攻撃任務)の配備状況になっています。
このうちNo38グループ所属のNo41飛行隊は77年春に解散の後すぐにジャガーGR.1飛行隊として再編されています。
またRAFG向けにはライトニングF.2A戦闘機の後継として77年前半にNo19とNo92飛行隊が制空迎撃戦闘機として再配備が行われています。
なおブリティッシュ・ファントムの作戦転換部隊No228OCUは、有事の際にはNo64飛行隊として実戦任務に就く「シャドー」スコードロンになっています。

海軍の余剰機であるファントムFG.1を空軍に移管して編成されたNo43飛行隊は、本土防空用としてNo11グループ所属で再配備されたファントムFGR.2と共に引き続き任務に当っています。
79年には空母「アークロイヤル」の退役によって余剰になったファントムFG.1が空軍に追加移管され、ファントムFGR.2を運用していたNo111飛行隊がFG.1に機種改編しています。

この年までにイギリス本土防空の主役の座をファントムFGR.2に譲り渡したライトニング戦闘機は、この時点でNo11グループ所属でイギリス本土防空任務に就くF.6装備の二個飛行隊、RAFGの制空迎撃任務用にF.2A二個飛行隊が配備されています。
RAFG指揮下の飛行隊は前述のように翌年前半に相次いでファントムFGR.2に機種改編していますが、イギリス本土防空任務の二個飛行隊はその後も永らく生き永らえて、冷戦末期の1988年まで配備が続行されていきます。

爆撃機/攻撃機飛行隊 x 推定20個:

アブロ・ヴァルカンB.2飛行隊 x 6個(No9. 35. 44. 50. 101. 617.の各飛行隊)
SEPECAT・ジャガーGR.1飛行隊 x 6個(No2. 6. 14. 17. 31. 54.の各飛行隊)
ブラックバーン・バッカニアS.2飛行隊 x 4個(No12. 15. 16. 208.の各飛行隊)
ホーカーシドレー・ハリアーGR.3飛行隊 x 4個(No1. 3. 4. 20.の各飛行隊)

アブロ・ヴァルカンB.2爆撃機はRAFストライクコマンド指揮下のNo1グループ(かつてのボマー・コマンド)の長距離戦術核攻撃戦力の中核として、イギリス国産のWE177B戦術核爆弾を主な運用兵器として配備中です。
1974年から実戦配備を開始した英仏共同開発の戦術攻撃偵察機のジャガーは、戦術攻撃及び偵察任務から防空任務に転換するファントムFGR.2の後継機としてこの時点でRAFGへ4個、No38グループに2個飛行隊が配備されていて、翌年にはRAFGに更に一個飛行隊が配備されます。
ジャガーは開発開始当初、RAFにおいては高等練習機として採用の意向だったのですが、その後のF-111Kと英仏共同開発のAFVG(可変翼戦術戦闘機)が揃ってキャンセルになったことで戦術攻撃機不足に直面した為、当初計画を大きく変更してフランス同様に戦術攻撃機としての採用をメインに据えた経緯があるそうです。
ブラックバーン・バッカニアS.2はRAFG指揮下の戦術核攻撃任務とイギリス本土近海の敵艦船に対する洋上阻止任務にそれぞれ二個飛行隊が配備されています。
ホーカーシドレー・ハリアーGR.3は近接航空支援用としてRAFGに3個、No38グループ1個飛行隊が配備されていますが、翌年春にはRAFG配備のNo20飛行隊が解散して実戦飛行隊は三個に減少しています。

偵察機飛行隊:推定2個

アブロ・ヴァルカンB.2(MMR)飛行隊 x 1個(No27飛行隊)
イングリッシュ・エレクトリック・キャンベラPR.9飛行隊 x 1個(No39飛行隊)

ハンドレページ・ヴィクターB(SR).2に代わって1974年からRAF唯一の長距離偵察任務に就いているヴァルカンB.2(MMR)は引き続き任務続行中です。
実戦部隊唯一のキャンベラ飛行隊No39は高高度偵察任務を続行中です。

早期警戒飛行隊:1個:

アブロ・シャクルトンAEW飛行隊 x 1個(No8飛行隊)

海軍の空母減勢で余剰になったフェアリー・ガネットAEWのレーダーセットをシャクルトン海上哨戒機に移植改造して1972年に登場したシャクルトンAEWは、RAF唯一の空中早期警戒機としてイギリス本土防空任務に就いています。

海上哨戒機飛行隊 :推定5個:

BAE・ニムロッドMR.1飛行隊 x 5個(No42. 120. 201. 203. 206.の各飛行隊)

イギリスの海上哨戒及び対潜任務を担うジェット哨戒機のBAE・ニムロッドの部隊は77年末に地中海のマルタ島駐留のNo203飛行隊が解散して、ストライクコマンド指揮下のNo18グループ(かつてのコースタル・コマンド)所属の四個飛行隊体制に移行します。
なおニムロッド部隊は1979年秋からNo206飛行隊を皮切りにニムロッドMR.2への更新が行われます。

戦術輸送機飛行隊:推定5個:

ロッキード・ハーキュリーズC.1飛行隊 x 4個(No24. 30. 47. 70. の各飛行隊)

アームストロング・ホイットワース・アーゴシー輸送機は75年に第一線を退き、RAFの戦術輸送機はアメリカ製のハーキュリーズに一本化されました。
しかしNo36飛行隊は75年に、No48飛行隊はこの年に解散していて、スエズ以東からの軍事力撤退で戦術輸送機部隊の所要数が減少したことを表しています。

空中給油機飛行隊: 3個

ハンドレページ・ヴィクターK.1/K.2飛行隊 x 3個(No55. 57.214.の各飛行隊)

この当時はエンジン推力が不足気味のヴィクターK.1から、よりパワフルで空中給油機としての完成度を高めたヴィクターk.2(戦略爆撃機ヴィクターB.2からの改造機)への機種改編が行われていて、No214飛行隊は77年1月に解散し残りの二個飛行隊はヴィクターK.2部隊として任務に就くことになります。

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