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2010年12月16日 (木)

本気か画餅か護衛艦48隻体制

政府が来週にも閣議決定する2011年度からの新たな「防衛計画の大綱」別表案が10日、判明しました。
→http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201012110092.html。

陸自部隊の南西諸島方面展開しかし定数は減とか海自潜水艦の増強など、色々と話題豊富であった防衛計画大綱改定、その主要装備整備の数的目標
値がようやく具体化したわけですが・・・。

陸自定数については財務省から、現在の実員14万8千人以下と大幅な削減を求められていましたが、現大綱定数から千人減の15万四千人に落ち着き
まずは何より。
一方戦車や重砲といった重装備はかなりの削減になっております・・・。
戦車については、これまでの調達予算規模が例え維持されても74式、90式両戦車の退役ペースにはとても追いつかないので、嫌でも今回示された数
(約400両)に収斂していくという観測もありましたから、予算の現実を追認したものと言えて止むを得ないと思います。
後は財務省が機動戦闘車を戦車枠に入れろなどと無茶を言い出さないように祈るのみです。

空自については現在の戦闘機勢力(約260機)を維持するようですが、そうなるとファントム後継のFX2個飛行隊は予定通り導入のようです。
F-35に対する米国政府への情報開示請求費用が来年度予算に計上されておりますので、FXはF-35で内定なのでしょう。
F-35は本来多国籍開発が前提の機ですから、ライセンス生産に当たっては武器輸出三原則を緩和しなければならない機体なのですが、今回それは
社民党や公明党への配慮で見送りになった為にライセンス生産は現在のところ不可。
それでは日本国内の戦闘機開発生産基盤維持に果たしてどのような対策を取るつもりなのか?
それが今後の焦点になるやに思われます。
武器輸出三原則の件をクリアしてF-15非改修機の退役を前倒しして、早期にF-35ライセンス生産体制を確立する他無いと思いますが、能力的に不足で改修も費用対効果が悪過ぎて不可、しかし飛行機としてはまだまだ使用に耐えるF-15非改修機を早期退役させる事に財務省が何と言うのか?
これもまた難問で、当事者諸氏の頭の痛いところでしょう。

海自は護衛艦を現別表から1隻増の48隻、潜水艦は18隻から4隻増の22隻。
潜水艦については以前より、諸外国の通常型潜水艦と比較してかなり短い艦齢16年で一律退役という措置(実戦配備用16隻という大綱別表による上限が理由なのですが)に疑問の声が絶えなかったところであり、今回の定数増は良い意味で実態に合ったものと言えましょう。
ただし潜水艦増に関しては、モノよりは人(高錬度の乗組員不足)がネックになるやもしれません。

さて本日の主題である護衛艦数ですが、調達予算削減の上で護衛艦数1隻増となると・・・。
次期中期防が2012~16年度と考えた場合、現在の戦力構成を維持するのであればDDH「くらま」代替の22DDH二番艦とDDG「はたかぜ」代替の
新型DDG調達は必須の調達案件になるでしょう。
問題ははたかぜ代替のDDGで、「軍事研究」今月号には一万トン型を・・・という観測記事が載っておりました。
一万トンとなればこれもイージス艦なのでしょう、その建造予算はこれまでのイージス艦「こんごう」型から「あたご」型へバージョンアップするのに25%
程度の上昇が見られた事を勘案するに、1,800億円を越える事が予想されます。
レーダーのアクティブフェーズドアレイ化、新型化を行なうのであれば更なる上昇も有得ます。
ただ、一方でMD能力を持つイージス艦を現状4隻から6隻に増勢すると謳っており、それは「あたご」型2隻にMD能力を付与する事なのでしょうから、深読みすればこれ以上の高価なイージス艦調達は止めて、「はたかぜ」「しまかぜ」代替の新型DDGはとりあえずMD能力を一切持たない、従来型経空脅威に対応するだけの比較的安価な艦、すなわちFCS-3型とACDSのアップグレード型を搭載した艦にするとも受け取れそうなのですが・・・。
これなら「あきづき」型の発達型ですのでその建造予算も1,000億円程度に収まるのではないか?と考えている次第ですが果たして?

DDH1隻1,100億円、DDG1隻1,000~1,800億円となると、中期防五年間の護衛艦建造予算4,000億円弱として残りは1,000~1,800億円程度になりましょう。
この枠内で新型DDを調達しなければなりませんが、聞くところによると次期DDはこれまでの艦型拡大路線から一転して3,000トン台へ小型化するとの事。
新型DDはMD任務群に配備して、長期の作戦航海を常態しては考慮しない割切り方をすれば、必要な能力を維持しつつ小型化するのも可能かもしれません
基準排水量を「あさぎり」型水準に下げてなんとか500億円程に収める事が出来れば、2~3隻は調達出来そうです。
護衛艦48隻体制では所要のDD/DEは36隻。
「あさぎり」型に艦齢40年、後期「はつゆき」型に艦齢35年改修を実施するとして、次期中期防完成の2021年時のそれは、これまでの私の推測を当てはめるに以下の通り。

DDx28~29隻(新型DDx2~3隻、「あきづき」型x4隻、「たかなみ」型x5隻、「むらさめ」型x9隻、「あさぎり」型x6隻、「はつゆき」型x2隻)、
DEx6隻(あぶくま型x6隻)。
合計34ないし35隻で、1~2隻はどうしても不足する計算になります。
護衛艦の定数を「約47隻」とでもしておけば、これでも誤差の範囲で済む話なのですが、わざわざ「1隻増」を謳うのは海上防衛重視を内外に示す為の単なるパフォーマンスなのか、はたまた本気できっちりとその数字を考えているのでしょうか?
次々期中期防(2017~21年を想定)ではDDG「しまかぜ」と「はつゆき」型DDx2隻(更に練習艦「しまゆき」も)、DE「あぶくま」型6隻が待ったなしの退役時期を迎えるので、「むらさめ」型のいずれかの艦を「しまゆき」代艦として練習艦に転籍させる事を考えまた次期中期防完成時の不足解消を図るとなると、DDGx1隻、DD/DEx9~11隻の調達が必要になります。
旧地方隊所属護衛隊の不足分は安価なDE(1隻250億円程度)で埋めるとしても、調達予算の大幅増は不可欠で、これから深刻化する一方の財政状況を考えればそのような要求が通るわけがありません。
従って「護衛艦48隻体制」などとぶち上げてみても、それは所詮画餅に過ぎないのです・・・。
予算の裏付けも無く虚勢を張るよりは、今後予測される予算規模の実態に合った、従来の枠組みや慣習を白紙にしての新たな海上防衛のあり方を
早急に打ち出す方が賢明では?と外野のシロウトとしては愚考する次第です。
無い袖はどうやっても振れないのですから。

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