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2008年1月 5日 (土)

DDH「しらね」ついに引導渡された!?

防衛省は、昨年12月に火災を起こしたヘリ搭載護衛艦(DDH)「しらね」(5200トン)の修理を断念し、一線を退かせる「除籍」とする方向で調整を始めた。しらねの耐用年数が残り約5年しかないのに、修理に2年程度、200億円以上かかるとの暫定的な見積もりが出たためだ
→http://mainichi.jp/select/seiji/mod/news/20080104k0000m010085000c.html

久々のミリタリーネタですが、結局そうなるわけですね(涙)
艦の中枢たるCICが丸焼けになってしまったフネの御年28年・・・。
私の楽観的予想では来春に新型DDH「ひゅうが」に席を譲って退役する予定の「はるな」(1973年就役)を前倒しで今夏までにリタイアさせ、CIC装備
の機器を外して「しらね」CIC再建に再利用、併せて艦の中規模なオーバーホールも実施して、「しらね」の耐用年数を数年延長という筋書きだったのですがね~。
それがフタを開けてみれば2年の修理期間と最低200億円の修理費用・・・。
仮にそれに合わせて艦のオーバーホールを実施すれば400億円ですなんてトンでもない話になりかねませんし。
来春就役予定の13,500トン型新型DDH「ひゅうが」の建造予算が約1,000億円なのを考えれば、費用対効果で全く割りに合いませんもんねぇ、除籍も止むなしでしょう。

「しらね」後継の新型DDHは、最短コースで次期防初年度の2010年度予算で予算要求、14年度末(2015年3月)に就役です。
それまでのあと7年間をDDHx4隻体制を維持しようとするならば、現在の艦齢まもなく35年の「はるな」、同じく33年強の「ひえい」のどちらかの退役時期を延長(現計画では来春に「はるな」、再来年度中に「ひえい」退役の予定)する必要があります。
しかし両艦共、1980年代半ばに艦齢延長改装を実施していて、これ以上は老朽化まったなしの状態での退役計画でありましたから・・・。
更なる改修を施しても元々の艦齢が艦齢だけに能力も行動も多くは望めず、DDH4隻体制維持の為の単なる帳尻合わせになりかねませんしねぇ。
そんな艦を抱えているばかりに他艦と乗組員に負担をかけては、戦力維持上かえってマイナスのように思えます。
2015年春まではDDH3隻体制で凌ぐのも已む無しかと私は考えます。
旗艦任務はイージス艦で充分果せますし、部隊の哨戒へり不足は「たかなみ」型DD(ヘリの搭載定数は1機ですが、必要に応じて2機搭載/運用能力を持ちます)へのヘリの追加配備で対応できます。
DDHが担っていた洋上でのヘリの中規模整備は不可能になりますが、その辺は運用体制のやりくりで何とかするしかありませんね。

さて、一時的にDDH3隻体制になる事で生じるかもしれない、いや冷静に考えるぺき問題は、「海自が主張するDDH4隻体制は現在の戦略環境における海上防衛上不可欠のものなのか?」という点。
そもそもDDH4隻というのは冷戦時代の1970年半ばに定められた事で、現在の戦略環境とは大きく異なります。
定められた当時は質量共に強大なソ連潜水艦に対処する為、また米海軍の対潜
補完戦力としての要請から戦力整備の最優先順位としての「対潜」、そのシンボルとして必要不可欠のものがDDH4隻体制でしたが、現在はなにをさておいても「MD」。
防衛予算の削減傾向がこれから相当の期間続くと覚悟しなければならない状況下においては、あれもこれもと総花的な事など言っておられず、国防上の優先順位に
メリハリを効かせて決めていく必要があります。
DDH4隻体制の現在の根拠となっている「中国の潜水艦対策」「島嶼侵攻への対処」。
これらの脅威の掛け値無しの実態を、自衛隊の保有する他の対応手段(前者は海自の潜水艦と海上哨戒機、後者はやはり潜水艦と空自の航空阻止能力)とのすり合わせを十分に図った上でよくよく精査するべきでしょう。
災い転じてナントカよろしく、脱冷戦の21世紀海上防衛を根本から再構築するきっかけに転じれれば、不幸にも艦齢をまっとうできずに先達たちのもとへ逝く「しらね」へのせめてもの手向けになります。

私的には、最早ヘリ空母といって差し支えない新型DDHの導入と引き換えに、DDHの削減は止むを得ないと元々考えておりましたので・・・。
1隻減の3隻体制にして護衛艦隊司令部直轄艦にでもして、ヘリの充実した整備能力が求められる長期の海外派遣や災害対処、我が国島嶼に対する本格的且つ大規模な侵攻切迫時に、任務部隊の旗艦として柔軟に配備する体制を整えられればいいでしょう。
これらの対処事案は突発性のものではなく、危機に至るまでの外交的段階を踏み切っての事ですからそれなりの派遣・展開準備の時間を稼げます。
ゆえに常に1隻を洋上即応体制にしておく必要もなく、短期間で出動できるだけの錬度と準備が出来ていれば3隻での対応ローテーションでもこなせると思います。
・・・思いますが、専門家の見解は全く違うんだろうなぁ(涙)。

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