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2006年8月 5日 (土)

眠れる街にて~恐怖劇場アンバランス~そして「恐ろしき手毬歌」について

来る8月19日、真夏の眠れぬ夜に聞くのにうってつけの、極め付きの激恐な音楽CD「恐怖劇場アンバランス~オリジナルBGM集」が発売されます

10年程前に、vapからミュージックファイルシリーズ(昔の特撮や懐かしドラマのサントラ)の一作としてリリースされたものの、数年で廃盤となり、長らく買い忘れた&遅れて来たコアなマニアの方々垂涎の一品となって
おりましたが。
いつ再販されるのかとイライラしまた渇望した日々も、もうすぐ終わりです。誠に慶賀の至り!
・・・小耳に挟んだところでは、某メーカーとのトラブルが遠因で、冨田先生が再販をOKしないなんていう話もありました。
そういった事もクリアされたんですかねぇ、まずは何よりでございました。

私は「アンバランス」のミュージックファイルを持っておりますので、今回はパスかなぁと思っておりますが・・・。
「オリジナルBGM集」と銘打っているからには、純粋に「恐怖劇場アンバランス」の為に作曲された楽曲オンリーなのでしょうし、それならミュージックファイルで、劇中未使用曲も含めた全曲が収録されていますしね。
唯一収録されておらず、残念に思っていたのが、あの気味の悪いアイキャッチの曲(髪の毛が絡み付いた血まみれの女の手が壁を左から右に動くと、
「恐怖劇場アンバランス」の文字が出ているというヤツ)ですが、アレはMナンバーが振られていない、オープニングテーマのワンフレーズを加工したもののようです。
それと「マイティジャック」からの流用曲もカバーしてもらえれば(「死骸を呼ぶ女」のクライマックスシーンの、主人公とゾンビの対決のバックに流れていた
曲とか)即ゲットなんですけどね。

また、ホラーTVで放送があったばかりのこの時期のリリース、コレは待望のDVD発売の吉兆か!?と大いなる期待をば。
なにしろ「恐怖劇場アンバランス」のソフト化は、十数年前に発売された全話(13話)収録のLD-BOXと、80年代後半にビデオソフトでリリースされた
「墓場から呪いの手」「死体置場の殺人者」「蜘蛛の女」「死骸を呼ぶ女」「仮面の墓場」(脚本・市川森一)「木乃伊の恋」ぐらい。(他にもあったかもしれませんが)
私は、地元のレンタル店に置いてあった「死体置場の殺人者」「死骸を呼ぶ女」「木乃伊の恋」を見まして、前2作はダビングして現在も保有しておりますが(そろそろDVD化しないとなぁ)、残りの10本は未だ未見ですからねぇ・・・。
なお「恐怖劇場アンバランス」は製作前半(製作1~7話のオリジナル脚本のホラードラマ)と後半(製作8~13話の推理小説を翻案したサスペンスドラマ)では作品カラーが異なりますが、特に前者は見たいなぁ・・・、特に「墓場から呪いの手」「吸血鬼の絶叫」「蜘蛛の女」は是非とも見たいっ!
でもこういう好事家好みの作品は、一巻2話収録のバラ売りとかはせずに、DVD-BOXとして出すだろうしなぁ・・・。
レンタルされないのならBOXは迷わず買うと思いますけどね、結局。

さらに今回のCDリリース、廃盤になっているかつてのミュージックファイル化作品も再販されるきっかけになるのでは・・・と非常に期待しております。
中でも私が待望してやまないのが、「アンバランス」と同じく冨田勲先生の作品である「マイティジャック」。
「マイティジャック」は昭和43年春に、主演・三谷英明の一時間枠での特撮スパイアクションとして、フジテレビの土曜夜8時に鳴り物入りでスタートした作品(本邦初の、一本当たりの制作費一千万円ドラマなんだとか)でしたが、大人にも子供にも見放されて(大人にとっては話が退屈だったり、子供にとっては巨大ヒーローも怪獣も一切出ないので面白くなかったり)、視聴率一桁の無残な結果にワンクール(13話)しか持たなかったといういわく付きの作品。
しかしその劇伴はメロディアスにして雄渾っ!
聞く者を禁断の魔界に誘う禍々しい「アンバランス」とは対象的で、特に第一話冒頭でのMJ号(主役メカである万能戦闘艦)緊急出動訓練に流れた、挿入歌「進めマイティジャック」のアレンジ曲には血が騒ぎますなぁ~!
他にも主題歌とそのアレンジ曲のカッコ良さと来たら、一日中聞いていても飽きない諸作です。
私の中では、故宮川泰先生の「宇宙戦艦ヤマト」シリーズと双璧でございます。

「マイティジャック」もかつてミュージックファイルシリーズの一作としてリリースされたのですが、私は「まぁ急がずともそのうち・・・」と思っているうちに、気がつけばたった数年のうちに廃盤・・・。
それを知った時には、あぁ、「アンバランス」を買った時に、何で一緒に買っておかなかったんだろぅと激しく後悔したものです。
「マイティジャック」のレコードは持っているんですよ、ヤフオクにでも出せば高値で売れそうなモノが。
でもレコードプレーヤーが数年前に壊れてしまって以来、ノイズ交じりの一部楽曲をテープで聞けるのみのトホホな状態に・・・。
レコードプレーヤーを買ってPCに取り込もうか、いや、このノイズはシロウトレベルでは除去不能だろうし、業者に頼んだほうが利口かなぁ・・・などなど。
去年、サウンドカードを新調して外部音源もPCに無制限に取り込めるようにしたけれど、テープ音源はやっぱり音が歪み気味でちょっといただけないんだよねぇ・・・。
テープでこんな状態じゃあ、レコードはもっとアレなんだろうなぁと、いつもの事ながら実行する前から後ろ向きの考えに没入してしまって(笑)。
そんなこんなの状態ですので、「マイティジャック」のハイクォリティな音での再販を激しく希望している次第です。

せっかくの「恐怖劇場アンバランス」に関するエントリーですので、ここであまり人口にのぼっていない幻の未製作作品「恐ろしき手毬歌」について。
私が大事に持っている「24年目の復讐」(1985年刊)という、脚本家上原正三先生のシナリオ傑作集に収録されているこの作品、執筆された昭和44年当時においてでさえ憚られる(現在は勿論の事)題材を扱っておりまして、監督まで決まっておりながらお蔵入りというのも無理はないお話・・・。

主人公・日野良子(26歳・夫とは2年前に死別)の一人娘・直美(5歳)は何者かに殺され、林の中に埋められていたのを発見される。
殺された娘の復讐を決意した良子は、通夜の夜、直美の遺体の一部を食べて娘と一体化し、娘の身に起きた忌まわしい出来事を追体験しながら、犯人の高木浩一郎(49歳・商事会社総務部長)に行き当たる。
高木は戦時中に中国戦線で子供(女の子)を射殺した過去があり、それ以来、射殺した女の子と同じ年頃の子に対して・・・。
良子は直美が自分の子である事を隠して高木と肉体関係を持ちつつ、彼の息子も誘惑。
さらに高木に少しずつ毒を盛って・・・。
良子の策謀で高木家は家庭崩壊(息子は家出をして行方知れず、娘は飛び込み自殺)。
妻と義父(専務で高木の後ろ盾)に見捨てられ、盛られた毒によって廃人同様になり、もはや良子なしでは生きていけなくなった高木に、良子は復讐の最後の一手を・・・。

「娘の遺体を食べる」というシチュエーション、映像化は流石にまずいでしょうね・・・。
しかし、そうせざるを得なかった良子の、一人娘への深い愛情と悲しみ。
この点がよく描かれておりますので、いわゆる「カニバリズム」の異常性は感じられません。
愛深きゆえに、娘の遺体を食さずにはおれなかった母の心情、誰が咎め立て出来るでしょうか・・・?
家族への深い愛情、そして幸福な日々を理不尽にも奪った者に対する凄惨な復讐劇。
これは「死体置場の殺人者」でも見られたテーマですが、あちらは復讐者がゾンビ。
人間でなくなってしまった被害者の会社員(娘の誕生日プレゼントのオルゴールを持って帰宅途中、教え子との不倫デート中の医大DQN助教授の車に撥ねられて即死、証拠隠滅の為、遺体は大学病院の死体プールに)が、最愛の家族に最後の別れを告げるべく、つぶれた顔半分を包帯でぐるぐる巻きにして帰ってくるシーンは涙なしでは見れず・・・、そういう描写があるので、その後の展開の凄まじさに説得力を与えるんですが、こちらはゾンビのような絵空事
ではない分、一層の生々しさと現実感を持たせます・・・。
娘と一身同体となり、復讐を遂げるために禁忌を犯し、ラスト、復讐を完遂すると老婆に変貌してしまった(人間の一生分のエネルギーの
ほとんどを、復讐の為に使い切った為)良子・・・。
そんな彼女は鉄格子の向こうで、全ての呪縛から解き放たれ、自由で幸福な日々を送っているそうです・・・。

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