最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 2005年10月 | トップページ | 2005年12月 »

2005年11月の記事

2005年11月20日 (日)

金星と「新・第三の選択」

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の金星探査機「ビーナス・エクスプレス」が、11月9日カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地からの打ち上げに
成功したそうです
→http://www.astroarts.co.jp/news/2005/11/15venus-express_launch/index-j.shtml

ビーナス・エクスプレスもNASAの一連の金星探査機同様、金星の周回軌道上から各種観測を行うもので、近い将来に金星表面に探査機を軟着陸させる計画はないようです。
まぁ、「安く早く」がモットーの昨今のNASAの惑星探査事情、90気圧と500℃近い気温に耐えて一定期間探査活動を実行可能なマシンなんて、幾らカネがかかるかわかったものじゃないですから仕方がないんですが・・・。
木星のガリレオ衛星や水星の地表で探査機が長期間活動なんて時代になっても、金星探査は今と変わらぬ周回軌道上からの観測で忍ばざるを得ないでしょうね。

90気圧と500℃近い気温という我々の想像を絶する世界・金星・・・その表面に探査機の軟着陸を敢行し、見事成功を収めたのが旧ソ連です。
1961年にチャレンジを開始して以来、数々の失敗にもめげず突撃に次ぐ突撃を敢行し、1970年12月に軟着陸(勿論世界初)を成功させ、75年12月にはモノクロ写真の撮影に成功、82年3月にはカラー写真の撮影にも成功しています。

このソ連の一連の金星探査をめぐって(惑星探査全般に関してもですが)大きな疑念を書き記した本が、私の手元に一冊あります。
新・第三の選択」。
月・火星・金星・その他太陽系の惑星探査によって得られた成果について、ことごとく疑念の視線で論述する奇書、かの韮澤潤一郎氏の監修による本です。

金星に関しては、公表されている探査機では金星表面の過酷な環境にとても耐えられないように見える(例えば探査機のコンピュータの放熱はどうやって
するのか?外気が500℃近くもあったら出来ねーじゃん)とか色々。
そして数々の考証の結果導き出された結論は、
「金星には海が存在する!」
という驚くべきもの。
金星大気圏への突入に成功した後消息を絶った探査機の何機かは、
「金星の海に着水して失われた」!!
・・・センス・オブ・ワンダーに満ちておりますなぁ・・・。

この他、月や火星についての興味深い話がゴロゴロ、この手の話が大好きな若い諸君、ぜひ「新・第三の選択」を一度手に取って見る事をおすすめします。
免疫ない人は怪電波受信装置と化す危険性も孕みますので要注意。

2005年11月18日 (金)

戦闘機部隊が消滅したフィリピン空軍

フィリピン空軍のF-5戦闘機が去る10月に退役。人口8,200万人の独立主権国家が防空手段を喪失してしまったそうです。

とうとう来るべきものが来たというか・・・国内で問題になっているイスラム過激派が9.11のような旅客機テロを起こしても、阻止する手段はないですし(あの国は地対空ミサイルも確か保有していない)、南沙諸島の領有権をめぐっての中国との紛争でも、ささやかな抑止手段すら失ってしまいました。
これってかなり深刻な問題なのですが、当のフィリピン政府はこれまで同様「無い袖は振れない」で済ますんでしょうか。

フィリピン空軍のジェット戦闘機部隊は1957年に米国からF-86Fを40機前後供与されて3個飛行隊を編成、翌58年には全天候迎撃型F-86Dを20機
供与されて1個飛行隊を編成と。
冷戦激化という時勢もあり、なかなかの戦力充実ぶりを見せていました。
加えて米空軍の戦闘飛行隊も駐留していましたから、国土防空は十分満足のいくものだったでしょう。
その後1965年に、今回退役したF-5A/Bを22機供与されて1個飛行隊を編成しています。
先述したF-86Dは69年に退役、これとF-86Fに代わる戦闘機として米海軍を退役したF-8Hを78~9年に25機購入し、1個飛行隊を編成。
80年代はF-5x1個飛行隊とF-8Hx1個飛行隊、加えて駐留米空軍のF-4E/Gx2個飛行隊。
米空軍の駐留による抑止効果は絶大ですから、当時南沙諸島の問題でモメはじめ
ていた周辺各国も、おいそれと挑発行為には出られなかったでしょう。

冷戦が終結、更にフィリピンの民族意識の高揚、ピナツボ火山噴火による米軍基地被災もあいまって、米軍は1990年代初頭に撤退、元々中古品だったF-8Hも退役すると、フィリピンの防空に当たる戦闘機部隊は、F-5装備の1個飛行隊のみに(しかもレーダー無しなので夜間迎撃はかなり無理がある)。
南沙諸島では中国が傍若無人な行動をとり始めますが、海軍の洋上戦闘力が無きに等しいフィリピンには有効な阻止手段をとれるはずもなく、F-5飛行隊の存在のみが、ごくごくささやかながら、対中抑止力をになっていたとも言えましょう。

フィリピン政府もこのような国防の危機的状態を座して見ていたわけではなく、かつてアキノ政権時代にはF-16導入の話も出てきていましたし、イスラエルから中古のクフィル戦闘機導入も検討していたようです。
しかし結局は、乏しい財布の中身と優先順位(国内の反政府勢力対策が最優先)の関係上、見送りを続けた結果、とうとう今日の事態を招来してしまいました・・・。

フィリピン・・・衆愚政治で貧富の差は相変わらず、国内ではイスラム過激派が暴れ、加えて自前の防空手段を完全喪失・・・あれだけの規模の島嶼国家でこのような状態、国家のカントリーリスクがさらに悪化し、外資の呼び込みも鈍くなって一層の経済低迷→イスラム過激派に燃料投下→国内大混乱なんて事に繋がらなきゃいい
けど。
外資はシビアですから、自国を守る最低限の戦力すら持たない国なんて、よほどの資源持ちでもなきゃカネを落としませんよ。
わが国にとっても、あの国がそのような惨状に陥るのは国益にマイナスかと。「たかが戦闘機の退役如き」というなかれ、先々やっかいな問題に繋がりかねない事なのであります。

いずれは戦闘機を買わなきゃならないだろうけど、あの国の国防予算じゃ、中古のF-16でさえ無理っぽいもんなぁ。
ASEANの仲間や韓国に泣きついて、これら諸国でそろそろ退役時期を迎えるF-5E/Fを激安価格で譲って貰う以外にないかなぁ。
でも仮にそうしても、10年も経てばまた同じ問題がなぁ・・・

2005年11月 5日 (土)

ベネズエラの大統領ウゴ・チャベスといふひと

ベネズエラのチャベス大統領が11/1、同国空軍の保有するF-16戦闘機の中国など第三国への売却を示唆しているそうです。
機体の保守部品売却を怠っているとされる米国への対抗措置のようです。→http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/051102-235731.html

人喰いワニがうじゃうじゃいる沼の上で、ワニにべろへろばーしながら綱渡りしているようなもんですよ、これは・・・。
いくらなんでもこういう煽りはヤバいんじゃないかなぁ。
あの国のF-16は初期のタイプで、いまさら中国に渡ったところで、軍事的には大した事にならないと思いますが、米国製のそれなりに有用な兵器を公然と
潜在的敵国に引き渡した事例は今までありませんからね~。
政治的にはインパクトデカ過ぎ。
実行したら一線を越える事になりそう。
ベネズエラには石油供給の件もあるし、悪の枢軸認定して軍事侵攻という最悪の事態も・・・。

ベネズエラは長らく二大政党(中道左派の民主行動党とキリスト教民主党)による議会制民主主義が機能しておりましたが、フィリピンなどにも見られる
ように、多数派である社会的弱者の民意を反映しない、特権階級層に都合のよいものだったようです。
そんなかの国の閉塞した政治情勢に風穴を開けたのがウゴ・チャベスという漢。
元軍人で、左翼ゲリラとの戦いの中で、真に打倒すべきは帝国主義(よーするに米国のこと)であるとの結論を導き出した反米左翼であり、かつ愛国者であるという人物です(このあたりが、日本の反米左翼=特定の全体主義国家への奉仕者という図式と異なりますな)。
その彼が1998年の大統領選でこれまでの通例を打破して当選、特権階級側のクーデターを阻止して、政権基盤を確固として反米姿勢を明確に表し、敵の敵は味方だとばかりに中国や北朝鮮に接近し、今回のようなヤバそうな事を口に出すに至っております。
昨年、NHK-BSでヨーロッパ(確かフランスだったような)製作の、2002年のクーデター騒ぎの舞台裏のドキュメンタリーを見ましたが、石油収入で我が世
の春を謳歌する特権層と貧しいまま社会の底辺で喘いでいる多数派の社会的弱者のあの差は一体何なんだ?と唖然としました・・・。
中南米の大半の国はあんな調子のようですが、あれでは衆愚政治だなんだと言われようと、チャベスのような人物に人気が集まるのも当然か・・・。
ただ、チャベス側に明らかに偏った視点で製作されているのも事実なので、その辺は多少割り引いて考えるのも必要ですがね。

それにしても・・・ベネズエラは冷戦期には中南米における反共の砦として、また石油の一大供給拠点として米国から重視され、80年代に当時の新鋭
戦闘機F-16を売却するほど肩入れされていた国だったのに。
(米国は冷戦期とその後数年、中南米に対する先進武器提供を行ってきませんでした。彼らに与えるのは中古兵器か輸出専用に開発された=安価だが同時期の米軍正式兵器に比較して性能は劣るモノで、英仏から新型兵器の輸入は出来ましたが、米国のように政策上の要請で安く売るなんて事はしま
せんので、特に戦闘機は高価=数をなかなか揃えられないという問題がありました。現在は米国といえどメーカーを食べさせていくのに汲々としています
から、チリにF-16の比較的新しいタイプを売却、ブラジルの新戦闘機計画に新型機の売り込みをかけたりしています)
そんな国に米国の大好きな自由選挙で反米左派政権が誕生するあたり、彼らの中南米支配の矛盾を露呈した、ヤンキーどもにとっての度し難い事例
と言えましょうか。

2005年11月 4日 (金)

大宇宙浪漫の星・冥王星とセドナ

11月、こちらでは空気も程良く済み、星空を眺めるのに一番いい時期になりました。
11月下旬から翌3月までは、天候不順で澄んだ星空を見る機会もそうはありませんから。
私も今の時期、星空を見上げてほげーっとしている事が多いです。
星座の事はさっぱりなので、特定の星々に焦点を合わせるのではなく、ただただ茫漠たる大宇宙に想いを馳せているだけなんですが。
星空に想いを馳せるそんな時期に、太陽系最果ての惑星(公式に認められた)冥王星に2つの衛星が新たに発見されたとのニュース! 
この発見が事実なら、冥王星は一種の二重惑星を形成しているとも言われる既知の衛星カロンを含め3個の衛星を従えている事になります。
冥王星自体がカイパー・ベルト天体に属する(ゆえに正式な分類としての「惑星」ではない?)ので、その周辺宙域には数多くの微小天体が存在する
とすれば、その中には冥王星の公転軌道に入ったものもあるでしょうし、
ハッブル宇宙望遠鏡でもキャッチできないような極小衛星は相当ありそうな気がします。

しかし何故冥王星なんぞのニュースに心惹かれるのか・・・これは特定の世代人にしかわかりますまい(笑)。
冥王星といえば、地球を放射能の墓場に変えた遊星爆弾の発射基地であり、沖田十三提督率いる最後の地球防衛艦隊が、ガミラス艦隊に敗北を喫した宙域である、「宇宙戦艦ヤマト」ワールドを代表する実在の星・・・地球の為に命賭けて戦う漢達の宇宙浪漫を体現する存在だからなのです。
冥王星なんて言葉を耳にすると、「無限に広がる大宇宙」「真っ赤なスカーフ」が脊髄反射で脳内に流れるほどの重篤な症状ですからな~(笑)。
実際には海!も寒天質の原住生物!もいない氷と岩石だけの素っ気無い星なんだろうけど、それでもやっぱり、あの星は宇宙浪漫の星です。
人類未踏の地に対する夢とロマンの象徴であります。
さて冥王星の話となると、触れずにはおけないのが「太陽系第10惑星」の話。
2004年に発見が発表された「セドナ」です。
太陽からの距離は近日点76天文単位、発見された2003年当時の距離が実に90天文単位!で、その直径は約1700km(冥王星の7割強・月の5割弱)。
(1天文単位は太陽-地球間の距離)
冥王星のそれは平均40天文単位、来年打ち上げ予定のNASA無人探査機が9年がかりで到達する距離である事を考えると、セドナがどれだけ遠い、
太陽系の最辺境に位置するか想像できます。
冥王星もそうですが、高性能の核融合エンジンでも実用化されない限り、人類の訪問など夢物語の遠い星、セドナ。
冥王星が属するとされるカイバー・ベルト天体が太陽から30~50天文単位という事なので、この範疇からも大幅に外れた、太陽系と外宇宙の境界面
ヘリオポーズ(50~160天文単位の範囲内、惑星探査機ボイジャー1号が、今年、90天文単位の位置でここに到達したという話も)の玄関口とも言えそう
な星です。
ガミラスがこれを知ったら、補給基地として占領しそうな位置ではありますな(笑)。

さてこのセドナ、「惑星」としては認めないのが学界の認識なんだそうですが、そうなると冥王星もそうじゃないか?(旧態依然とした学界の体質をぶっ壊す?)なんて意見もそこそこあるようで、近い将来、「惑星」の再定義についての議論の象徴になりそうな星でもあります。

« 2005年10月 | トップページ | 2005年12月 »

2020年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

にほんブログ村 その他趣味ブログ

ブログランキング

  • 人気ブログランキングへ