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2016年3月28日 (月)

ヤマト帰還後の地球防衛の第一段階・大口径陽電子衝撃砲と反物質弾頭型誘導弾

前回「ヤマト2199の世界観における地球製波動機関実用化までに要する期間について」では、「宇宙戦艦ヤマト2199」の世界に立脚してで地球製波動機関開発のタイムスケジュールを試験艦完成(2003年)、実戦用艦艇完成(2206年)、機動打撃用の「太陽系第一外周艦隊」配備(2210年)と設定してみました。
今回は波動機関搭載艦で編成される艦隊配備までの間の、地球の防衛力整備の流れを考えてみようと思います。

「ヤマト」の成功によって九死に一生を得た地球人類にとって、短期的に見て最大の脅威は、ガミラス反乱軍の太陽系襲来と遊星爆弾や惑星間弾道弾による地球攻撃であると前回述べておきました。
そしてそれを完全に阻止するには太陽系外縁で彼らを撃破可能な艦隊整備が必要であること。
しかしそれには地球製波動コアの開発が不可欠であり、それには時間がかかること。
となると、当面の地球防衛は波動機関を抜きにして考えなければなりません。
防衛ラインに関しては、かつてのように冥王星宙域まで押し出す事はあまりに無謀な話なのでこれを却下。
新型空間魚雷や三式弾といったガミラス艦に有効な兵器を手中にしたとはいえ、真の主力兵器であるべき陽電子衝撃砲は、それを主力兵器たらしめる連射性能を得る為のエネルギーを供給可能な波動機関が実用出来ない限り、相変わらず「決戦兵器」に留まっています。
波動機関の存在無くしては、「ヤマト」の波動砲のような使い方しか出来ず、しかも威力はおそらく敵重巡を撃破できるレベルの、極めて貧弱な「決戦兵器」でしかありません。
防御力もまたしかりで、ガミラス軍艦艇が用いるミゴヴェザー・コ-ティングに必要なエネルギーでさえ、従来のコスモタービン機関では満足に供給できないでしょう。
従来のコスモタービン機関に依存する限り、この状況に変化は無いのです。
こんな状態で太陽系外縁まで進出可能な艦隊を再建したところで、所詮「前よりは多少マシ」な程度です。

よって本格的な宇宙艦隊の再建は当面諦めて、内惑星宙域で遊星爆弾や惑星間弾道弾を有効に迎撃できる能力獲得と、敵威力偵察部隊の地球近傍への侵入に対処出来る最低限の戦力を保持すること、これが「ヤマト」帰還後の地球防衛の第一ステップとなるのです。

遊星爆弾や惑星間弾道弾の迎撃については、まず可及的速やかに月面基地を再建して、コスモレーダーを用いた高精度の早期警戒/要撃システムを構築。
システムと連動する大口径の陽電子衝撃砲と反物質弾頭を搭載した空間超重魚雷の発射設備を持つ迎撃要塞を複数設置します。
「ヤマト」の主砲をも上回る規模の大口径陽電子衝撃砲は効率を度外視して、複数の大出力コスモタービンによって得られるエネルギーによって起動・発射され、遊星爆弾の軌道を地球から逸らす事が目的です。
地球から離れた宙域で迎撃できるのならば、威力のより小さな衝撃砲でも目標の軌道を逸らすことが可能でしょう。
僅かでも逸らすことが出来れば、地球圏に到達する頃には軌道のずれは大きくなっています。
しかし地球に接近した遊星爆弾の軌道を確実に逸らすには、相当なパワーが必要なのです。

一方、反物質弾頭搭載の空間超重魚雷は、目標を完全に破壊する事が目標です。
水星と太陽近傍に設置された反物質製造工場で、太陽エネルルギーによって得られる莫大な電力を使って反物質を生産し、超大型の空間魚雷の弾頭として用いるのです。
ここで私的設定として、ガミラス戦中盤に二種類の反物質兵器開発が企図された事にしておきます。
一つは地球地下の最重要地点に落着する遊星爆弾や惑星間弾道弾を完全に破壊消滅させる為の大型迎撃兵器。
もう一つは陽電子衝撃砲と並ぶ、対艦戦闘の切り札としてのより小型の戦術兵器「空間重魚雷」です。
従来の空間魚雷では敵艦のミゴヴェザー・コ-ティングによって威力が無効化されてしまうので、弾頭の威力を大幅に増して力づくで敵艦を殴りつけてやろうという発想です。
しかしこれらは、反物質の生産効率がそもそも著しく低いのが開発の隘路になってしまいます。
また前者については配備を想定した月面の迎撃拠点が敵の攻撃で次々と無力化されてしまい、かと言って地球本土に配備したのでは威力が大きすぎる為に、破壊は出来たものの肝心の守るべきものも巻き添えにしてしまう「味方殺し」の危険性が高い為に、計画は断念されます。
戦術兵器としての「空間重魚雷」はその後も開発が進められて、実際に仮制式化されます。
しかし大型迎撃兵器よりは小ぶりといっても、従来の空間魚雷の数倍以上の大きさです。
反物質弾頭そのものは小型であっても、不安定な弾頭を安定させる保護システムは相当の重量・容積が必要なのです。
加えて最低でも従来の空間魚雷と同程度の機動性を持たせるとなると、魚雷は相当な大きさになってしまいます。
その規模は突撃駆逐艦が艦底にぶら下げている、航続距離延伸用の増槽と同じ。
従来の空間魚雷並みの宙走性能では、戦艦や巡洋艦が腰ダメで投射しても敵艦を反物質弾頭の必殺半径に捉える事は困難な為に、確実に戦果を挙げるためには敵の機動に追随出来る性能を持つ突撃駆逐艦への装備が必要になります。
しかし突撃駆逐艦に空間重魚雷を搭載する事は増槽とのバーターであり、これを搭載する事でフネの航続性能を著しく低下させてしまう為に、メ号作戦のような深宙域での戦闘には使えないのです。
仮に突撃駆逐艦の推進剤搭載容量を艦5、増槽各2.5の比率とした場合、反物質弾頭型魚雷を一発、増槽一本を搭載した戦闘航海での進出限界は天王星宙域になります。
撃破確率を高める為に駆逐艦の搭載余力ギリギリの二発搭載(増槽無し)の場合は、土星の公転軌道を少し越える辺りが限界です。
結局、この「空間重魚雷」は搭載する突撃駆逐艦の航続性能上の問題から、ガミラス戦末期の深宇宙での戦闘に用いる機会を逸し、ガミラス軍が地球本土に侵攻した際の阻止火力の切り札として温存される事になりましたけれど、戦争末期に通常弾頭でも敵艦に直接打撃を与えられる新型魚雷が開発され、それが量産されるに及んで急速にその価値を失います。

ガミラス戦後、戦術兵器としての反物質弾頭はコストパフォーマンスの悪さから廃棄された一方で、敵戦略兵器迎撃用としての反物質弾頭には再び目が向けられることになります。
月面要塞に設置される大口径陽電子衝撃砲では迎撃ポイントが地球に近すぎるが故に、相手の軌道を逸らしきれない可能性がある為です。
逸らしきれなかった目標は、完全に破壊しなけれはなりません。
破壊しきれずにバラバラになった物体が地球上の広範囲に降り注ぎ、大被害をもたらしかねないからです。
しかし通常弾頭の誘導弾では威力に限りがあり、巨大な物体を完全に破壊するのは不可能。
その為、迎撃誘導弾の弾頭は目標を完全に破壊消滅させるだけの威力が求められ、「ヤマト」の波動砲が封印されている現状で、それを達成出来るのは反物質弾頭だけなのです。
幸い、こちらの手元には無用の長物と化した「空間重魚雷」の弾頭がありますから、これを再利用して大威力の反物質弾頭型迎撃誘導弾を早急に開発して、月面要塞の堅固な地下サイロに配備するのです。
弾頭は「空間重魚雷」のそれをそのまま活用して、迎撃誘導弾一発に複数の弾頭を搭載するか、再加工して単一の強力な弾頭に仕立て直すかのいずれか。
誘導弾本体は可及的速やかな配備の為に既存の技術を使って高性能は望まず、高速の物体に追いつくための高加速性を最重点に設計。
迎撃目標は、第一に大口径陽電子衝撃砲では軌道を逸らすことが最初から不可能と判断された大型の遊星爆弾や惑星間弾道弾、第二に大口径陽電子衝撃砲が軌道を逸らしそこねた物体です。

これら二種類の迎撃手段によって、同時に数発程度の敵戦略攻撃に充分対処できる能力を、出来れば「ヤマト」帰還後の一年以内に獲得しなければならないでしょう。

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