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2016年3月16日 (水)

8年と三ヶ月ぶりの恐怖劇場アンパランス「吸血鬼の絶叫」

先週末から日曜日にかけて、2008年暮れにこの「ばけのかわ」からエロや
18禁的記事を分離して立ち上げたブログを、fc2からライブドアに再移転したのです。
それで、そのエロブログの中でもエロくない記事は「ばけのかわ」の特撮
カテゴリに引っ越すことにしたのですけれど、それを機にずっとほったらかしだった特撮カテゴリの記事を久しぶりに読んでみました。
・・・続きを書くニュアンスで記事を締めておいてそれっきりなのがあって、うーむ、これは遺憾なぁと少々反省したところなのです。
それが"恐怖劇場アンバランス「吸血鬼の絶叫」への遥かな道"であります。
子供の頃に雑誌「宇宙船」の怪奇特集でこの作品のモノクロ写真を見て、色々と想像を掻き立ていた頃の話でありました。

その記事を書いたのは2007年の暮れで、もう8年以上前の事です。
そんな昔の記事の続きを書こうなどとは、何かのきっかけが無いと出来るもんじゃありません。
そのきっかけというのが、去る三月九日に発売された、
「恐怖劇場アンバランス Blu-Ray BOX」
なのであります。

2007年に全六巻のDVDとして発売されていた全13話の「恐怖劇場アンバランス」
を、Blu-Ray BOXとして再販されたのですけれど、マイナーな作品だからバラ売り
だと採算取れないんだろうなぁ・・・。
しかしブルーレイ化と言っても、「アンバランス」は1969年夏から翌年春にかけて製作された古い作品です。
画質の向上はほとんど望めないんじゃないかと私は感じておりまして、購入の
可否は特典次第と考えていたところです。
その特典はというと、うーむ、かなりショボいか・・・。
BOXであれば、全13話の脚本の決定稿ぐらいは封入されるんじゃないかと、期待大だったのですけれどね。
「吸血鬼の絶叫」が収録されているDVDのvol.6には製作第4回「蜘蛛の女」の準備
稿が特典でしたから、BOXなら全話の封入も可能じゃないのと。
DVDを買いそびれた人、最近になってこの作品を知った人は買うべきだと思いますけれど、レビューを見る限りではDVDと比べても画質の向上はあまり感じられないそうですし、私はどーしようかなぁと迷っているところです。
最も見たかった初期製作の怪談路線作品「墓場から呪いの手」「吸血鬼の絶叫」「死体置場の殺人者」「蜘蛛の女」「死骸を呼ぶ女」は持っていますしねぇ。

閑話休題
私の幼少のみぎりの恐怖と魅惑の象徴であり、想像を果てしなく膨らましていた
「吸血鬼の絶叫」本編なんですが・・・

恐怖劇場アンバランス「吸血鬼の絶叫」タイトル

・・・なんかもうね、想像と現実は全然違うのよねと、いい歳ぶっこいて改めて思い
知らされちゃったのですよ。
話全体を覆うムードは日本的な湿っぽさに満ちていて良いのですけれど、肝心の話が説明不足だらけで疑問だらけなんですよ。

あの吸血鬼(設定では「鬼崎進」という名前がありますが、作品中では名無しさん)は
元々人間なのか、それとも生まれながらの吸血鬼だったのか?
吸血鬼の隣に横たわっていた、胸に杭を打ち込まれている老人は今作のヒロイン・玲子の父君ですが、何故あんなところに横たわっているのか?
玲子が実家の墓を見に行っていたから、彼女の父は謎の失血死を遂げた後に荼毘に付されたのではないのか?
吸血鬼は荼毘に付された灰を、生前の肉体に戻す魔力でも持っているというのか?
玲子の父の件も含めて、過去の不審な失血死事件は鬼崎進の仕業だったのか、それとも他に吸血鬼がいるのか?
吸血鬼は面識もないはずの玲子に、なぜあんなに執着していたのか?
執着していたのは彼女の父と何か因縁があったからなのか?
吸血鬼は胸に杭を打ち込まれると絶叫して絶命し、その身体は白骨化してしまうのに、何故鬼崎進と玲子の父は胸に杭を突き立てたまま、人の姿を保っていたのか?

「吸血鬼の絶叫」の脚本を書いたのは、ウルトラシリーズその他の円谷プロ作品で健筆をふるっていた若槻文三さんですけれど、彼らしくない粗さが目立つんですよね。
製作第一話の「墓場から呪いの手」も若槻さんの脚本ですが、あちらは話がきっちりと纏まっていて、違和感は感じられません。
だから余計に、「吸血鬼の絶叫」はヘンな話だなぁと感じてしまうのです。
ひょっとすると鈴木英夫監督が撮影に当たって話を変えさせたとか、その辺の裏事情があるのではと色々勘ぐりたくなるのであります。

甦った吸血鬼が深夜のトンネルをひとり行く
トランシルバニアから来たという白人の吸血鬼に胸の杭を抜かれて、甦った吸血鬼が深夜のトンネルをひとり行く。
この辺のくだりは実にムードがあって宜しいのです。

真夏なのに真冬の格好をしたおぢさん
真夏なのに真冬の格好をしたおぢさんが、トンネルの中をフラフラ歩いている。
どこからどう見ても危なすぎる不審者なのです。
しかし手前の若い女性は度胸あり過ぎで、ガムをくちゃくちゃしながら近づきます。

吸血鬼に襲われて、首を絞められて失神する女性
お約束通り吸血鬼に襲われて、首を絞められて失神。
この娘の死因は失血死なので、絞殺ではないのですよ。

女の血を吸って会心の笑みの吸血鬼
子供の頃に見ていたら、一生のトラウマになっていたこと確実な画。
久しぶりに若い女性の血を吸いまくり、ご満悦で会心の笑みであります。

ここまでは良いのです。
実に良かった!
だからこの先の展開を非常に期待しておったのですけれど、結果は前述の説明不足や疑問だらけで・・・。
午前零時になると廃洋館の地下室でむっくり起き上がって、外へ出る事ワンパターンな繰り返しには失笑してしまいます。
「円谷プロ怪奇ドラマ大作戦」で、この吸血鬼を「出勤するサラリーマンのよう」と評していましたが、あぁそうだよなぁと目からうろこでした。
自殺者の霊は自殺するまでの一連の挙動を延々と繰り返すと言われています。
この人も、生前の最も強烈な習慣「遅刻は絶対に許されない」を延々と続けているのかも。
血を吸う音がソバでも啜るような妙な音なのも、営業成績のグラフのような色と形のローソクに激しく怯えるのも、やはりこの人の生前は普通のサラリーマンだったのかもね。
でもそんな人が何故、よりによって吸血鬼になったのか、また新たな疑問が渦を巻くわけであります。

疑問と言えばこの吸血鬼役、何故富田浩太郎さんにオファーが来たのか?
正直、この方にこういうイッちゃってる役は似合わないと思うのです。
劇中、鬼崎進のセリフが一切無く喚くだけというのも、富田さんの声が柔らかくて凶悪な吸血鬼には似合わないという理由があったのかも。

玲子のバーにずぶ濡れで現れる鬼崎進
嵐の夜、玲子の経営するバーにずぶ濡れで現れる場面。
この画だけ見たら、彼が吸血鬼だなんて信じられませんよ。
数日徹夜で捜査して、ようやくホシのヤサを見つけたベテラン刑事という感じ。

深夜のバーに現れる鬼崎進
今度こそ玲子を襲おうと、閉店後の深夜のバーに現れる鬼崎進。
これは深夜の張り込みをするベテラン刑事の画にしか見えない。
哀愁を感じさせる眼差しから見て、相手は不幸な境遇の女なのかもしれない。

胸に杭を打たれて絶命する吸血鬼
で、結局はトランシルバニアから来た吸血鬼共々、胸に杭を打たれて白骨化しちゃうわけなんですが。
この直後、地下室は謎の崩落を起こして、白骨化した吸血鬼たちも杭を打たれたままの玲子の父も瓦礫の下敷きになります。
彼らが一体何者だったのかは謎のままです。
あの地下室を再開発で掘り返したら、胸に杭を打たれた中年二人と初老一人が発掘されたりするのだろうか。
そして病院に搬送されて、杭を抜かれたらまた甦る。
そんな事を考えるのも楽しかったりしますな。
話のオチがアレなので、かえってその後を想像する余地があるのですよ。

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