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2011年1月23日 (日)

押切駅(信越本線)

本日の駅紹介は信越本線・押切駅。

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押切駅の駅名標

新潟県長岡市に所在する無人駅で、開業は明治34年(1901年)9月1日。
開業時の所在は南蒲原郡神通村で、同村は駅開業の三ヶ月後に周辺諸村と合併して中之島村の一部となりました。
その後昭和61年に村は町制を施行、次いで平成の大合併の大号令の中、2005年4月1日をもって長岡市に編入合併し今日に至ります。

当地周辺は現在でも蓮根の栽培が盛んなほど湿地の多い土地で停車場設置に不向きな事と、停車場設置によって外から様々な悪影響を受けるという鉄道創成期に頻出した地元の反対意見が多いという二重のハンデの中、当地の大地主が駅用地を当局に寄付し更に
村の有力者を説得して賛同を取り付けて、押切停車場設置に漕ぎ着けたという経緯があります。
ちなみに駅名に当時の村名ではなく押切の名を冠したのは、土地を提供した地主が駅北方至近の「押切新田」在住であったからのようです。

進取の気概に富む有力者の尽力で停車場設置を実現した話は日本中で聞かれる事例で、当駅のケースもその小典型ですが、ここ南蒲原の農村にもそのような人物が存在した事実を見るに明治日本勃興はまた必然だったのだなぁと強く感じる次第。
日本中にこうした過去の因習に囚われない人たちがいて、その小さな力の総体が明治日本をごく短期間の内に世界の一等国へと押し上げたのです。
今、立ち返ってこの明治の気概の源泉は何だったのか考えてみる事に、現代日本を覆う閉塞感打破のヒントがあるように思います。

おっと閑話休題。
押切駅は旧中之島町唯一の鉄道駅で、2006年度まで有人駅だったのにはその辺の事情もありそうです。
ちなみに2006年度の当駅一日平均乗車人員は、JR東日本によれば365人で当時の同社新潟県内有人82駅中61位。
信越線・安田駅と同レベルの数字で、長岡、見附両市の高校に通う学生の多さゆえと見るべきでしょう。
とは言え、当駅は中之島町の南端、長岡市との境界線上の立地で、中之島の中心街は北に4km強と相当の距離があります。
また中之島中心街と見附市を構成する二大地区の一つ、今町との距離は刈谷田川を挟んで僅か数百m。
その今町と見附駅の距離は約1.5kmで、長岡市へ合併編入時の人口約1万2千人の町最大の人口集積地区は見附駅が玄関駅と言っても過言では無かったのです。
従って町唯一の鉄道駅というステータスを持ちながら、実際の利用状況はそれとは余りに乖離しているという少々気の毒にも思える状況のここ押切駅なのでありました。
現在は長岡市内の一小駅という立場に落ち着き、無人化によって無意味な背伸びも止めて本来あるべき姿に戻った観有りと申せましょう。

押切駅駅舎
押切駅駅舎の様子、2007年8月撮影。
冬期の積雪対策なのかカマボコ型の屋根が特徴的。
建築財産票によると竣工は平成7年3月16日、許容積雪量は180cm。

押切駅駅舎内部その1
押切駅駅舎内部その2
無人化後の駅舎内部の様子、2007年8月撮影。
窓口はシャッターで閉鎖。
内部は無人駅定番朱色ベンチ二脚と券売機一台でガランとした印象。

押切駅の下りホームその1
下り線(新潟方面乗り場)の新潟方から見た押切駅構内、2004年10月撮影。
ホームは現在の普通列車にはあまりに不釣合いな長大さです。
地味な駅ですがこの辺は流石明治開業の歴史を感じさせます。
昔ながらの白線にも注目。

押切駅の下りホームその2
下りホーム端から新潟方を見る、2004年10月撮影。
ホームのすぐ上を県道の陸橋が通っています。

押切駅の下りホームその3
有人当時の駅舎のホーム側と上屋下、2004年10月撮影。
トイレは駅舎ホーム側向かって左側にあり男女兼用です。

押切駅の下りホームその4
下りホームの長岡方から見た構内、2004年10月撮影。
右隣の島式ホームの基礎が途中から青く塗られたレールの廃材のようなものになっていて、この辺りは停車場開設後に延長されたものと推察されます。

押切駅の下りホームその5
下りホーム端から長岡方を見る、2004年10月撮影。
画像左の中線跡は駅のみならず信越本線の寂れっぷりを象徴しているようで、見るのが忍びがたいのです。

押切駅の下りホームその6
下りホーム中程から駅舎と跨線橋を見る、2007年8月撮影。
上屋は跨線橋出入り口近くの短いモノですが、これが存在すること即ち当駅の出自が暦とした駅員配置駅であったことの証なのです。
生まれながらの無人駅には基本的にホームの上屋はありません。

Oshikiri1110612
跨線橋内部の様子、2012年6月撮影。
国鉄後期の跨線橋の小駅と中規模駅の中間的形態です。
当駅は近年まで有人駅であったので、内部もその仕様で壁の造りはしっかりしており、ポスターを貼れるようになっています。
現在はご覧の通り、何も貼られてはいませんが・・・

跨線橋上から見た構内その1
跨線橋上から構内の長岡方を望む、2004年10月撮影。
周辺は半農半住です。

跨線橋上から見た構内その2
同じく構内の新潟方を望む、2004年10月撮影。
当駅も元々は二面三線で貨物取扱い駅でした。
貨物取扱い廃止は昭和45年との事です。
中線は撤去されて久しいようですが、上越新幹線大宮暫定開業前の昭和55年10月改正ダイヤでは、この中線で普通列車の優等待避が一日三回ありました。
電車特急「とき」や気動車時代の急行「赤倉」が、中線でジッと待つ115系電車を颯爽と追い抜いていったのはもう30年も昔の話です・・・。

押切駅の旧島式ホームその1
旧島式ホーム3番(長岡方面乗り場)の新潟方から見た構内、2004年10月撮影。
駅裏は一面田圃の海で、駅及びその周辺の雰囲気共に帯織駅によく似ています。

押切駅の旧島式ホームその2
旧島式ホームの長岡方から見た構内、2004年10月撮影。
このホーム上にはこの時点では待合室もベンチもありません。
上屋も跨線橋出入り口から車両一両分ほどしかかかっていないので、悪天候時の列車待ちは待合室でギリギリまで粘るか跨線橋の階段にでも座るかの二択。

押切駅を出発する115系電車
上りホームを出発する115系電車湘南色の長岡行、2012年6月撮影。

押切駅に到着した115系電車
下りホームに到着した115系電車新潟行、2012年6月撮影。

押切駅を通過する485系電車快速「くびき野」
下りホームを通過する485系電車T編成の快速「くびき野」新潟行、2012年6月撮影。
485系電車のR編成通過を撮る機会を逸したのが心残りです。

押切駅を通過するEF81形電気機関車牽引の貨物列車その1
下りホームを轟然と通過するEF81形450番台電気機関車牽引の下り貨物列車、2012年6月撮影。

押切駅を通過するEF81形電気機関車牽引の貨物列車その2
上りホームを通過するEF81形電気機関車牽引の上り貨物列車、2012年6月撮影。
私の世代にとって、EF81形といったら矢張りこのカラーですなぁ。

押切駅前
駅舎前から見た駅前の様子、2007年8月撮影。
駅前のポストは平日休日共に一日一回の回収。
山間地域並みの回収体制は、長岡市と見附市の狭間の空白地帯の
ようなこの地域の独特な状況をよく表わしているような・・・。

押切駅周辺その1
信越本線の線路に並行する道を長岡方面に少し進み振り返って一枚、2006年9月撮影。
この土地が村の中心だったのは明治の話で、それ以降は中之島村/町の南端の一集落に過ぎなかった事から、駅が置かれても明確な「駅前通り」は未発達に終わった印象です。
駅付近には自販機数台を設置した菓子店がある以外目ぼしい商店はありません。

押切駅周辺その2
前述の県道陸橋から見た構内、2006年9月撮影。
旧中線の残骸とそのすぐ右手に車止めともう一本の線路が見えますが、この線路は陸橋の反対側(見附方)に伸びていて上下本線と繋がっていました。
保線用だと思われます。

押切駅を通過する583系電車急行「きたぐに」
構内下り線を通過する583系電車の急行「きたぐに」新潟行、2006年9月撮影。
快晴の秋の朝陽が厳しくて露出を失敗してしまいトホホ・・・
撮影は薄曇の日を選ぶべきだなぁと痛感の一枚。
この時はこれを撮影が旅程メインディッシュだったんですけど。
コントラストを修正してこれですから、元画像の酷さはお察しください・・・

押切駅周辺その3
陸橋上から俯瞰で見た駅周辺、2006年9月撮影。

押切駅周辺その4
その陸橋から見た駅裏(東側)の様子、2006年9月撮影。
ここを道なりに進むこと4km強で見附市の二大地区の一つ・見附本町に到達します。
なお、この陸橋の反対側(長岡方)の踏切を渡って300m程進むと、
越後交通の長岡駅前-(見附本町経由)-栃尾車庫(旧栃尾市中心部)間を結ぶ路線バスが設定されている県道に出ます。
最寄バス停は「七軒町」です。

押切駅周辺その5
駅北方の蓮根畑。2006年9月撮影。
後背に見える高架は上越新幹線のものです。
長岡から北長岡を経て当駅まで信越本線と並行してきた高架も、当駅至近を過ぎてから徐々にその距離を広げていきます。

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