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2010年5月 5日 (水)

越後下関駅(米坂線)

本日の駅紹介は、米坂線・越後下関駅。

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2018年6月24日記、画像の入れ替えと加筆修正を実施しました。

越後下関駅の駅名標

越後下関駅は新潟県岩船郡関川村に所在する有人駅で、昭和6年(1931年)8月10日の開業です。
かつて新潟-仙台(後に山形)間に米坂、仙山線経由で二往復運行されていた急行「あさひ」(のち「べにばな」と改称)の停車駅でした。
開業当時は同郡関谷村の所在で、その後関谷村は昭和29年8月に荒川を越えた先の女川村と合併して関川村となって今日に至ります。
「下関」は駅の所在する地名で、合併を機に駅名も「関川」に変えてしまえば良かったのに・・・と、無責任な部外者は思うところでありますが。

関川村は粟島浦村と共に、平成の大合併において岩船郡内で村上市との合併に応じず独立独歩を貫く土地柄でありますけれど(岩船郡の他の町村・・・荒川町、神林村、朝日村、山北町は2008年4月1日をもって村上市と合併)、粟島浦村が合併によって島が埋没してしまうのを怖れた為などと言われているのと異なり、村上市との間に昔からの感情的なモノがあるやに、知人から聞いた事があります・・・。
また関川村は「平成の村八分」訴訟という、いささか不名誉な問題で全国にその名を知らしめたのは記憶に新しいところ。

越後下関駅駅舎その1
越後下関駅駅舎その2
越後下関駅駅舎の様子、2017年5月撮影。
建築財産票によれば昭和49年11月8日の竣工で、横長の長方形平屋です。
建物が横長なのに駅前広場が狭く駅前通りも道幅が狭い為、駅舎全体を画像一枚に収めるのは至難の技です。

越後下関駅前広場
駅前広場の米沢方の様子、2017年5月撮影。
画像奥手には上屋付きの駐輪場があります。
画像左には関川村の観光案内板を設置していますが、米坂線を使ってこの村に観光に来る人は果たしてどれほどいるのやら。

越後下関駅前通りその一
米坂線と並走する国道113号線側から見た駅前通りの様子、2008年4月撮影。
画像中央が駅舎です。

越後下関駅舎の内部その1
越後下関駅舎の内部その2
駅舎内部の窓口と出入り口の様子、2017年5月撮影。
窓口営業時間は6時45分から18時20分まで。
その間、上下合わせて10本の列車が当駅に停車します。
なお自動券売機は未設置です。
駅舎は夜9時に閉鎖されて、「早っ!」と思わず口を突いて出てしまうところなのですけれど当駅の最終列車は20時21分に列車交換で行き違う坂町行と小国行。
私の住まいの地域の路線バスよりも二時間も早仕舞なのです。
なお、トイレは駅舎駅前広場側に男女共用の水洗式があります。

駅窓口は関川村の簡易委託という形で営業しているそうですが、一日六往復ではうーむ・・・、しかし村の玄関駅としての面子もあるでしょうし。
米坂線新潟県内区間で有人駅は当駅のみなので、周辺無人駅利用者の定期購入の需要もあるでしょうし・・・。
JR東日本によると当駅の2016年度一日平均乗車人員は92人で、同社新潟県内有人67駅中最下位と振るいません。
しかし単に運行本数や利用客数で斬って捨てるわけにもいかない面があるのは確かでしょう。

越後下関駅舎の内部その3
越後下関駅舎の内部その4
駅舎内部において、約9年間で唯一目立った変化が見られたのがここです。
上は2008年4月、下は2017年5月撮影。
ベンチがかつての無人駅仕様の長椅子型から、JR東日本の現在の定番型である一人掛け型に変わっています。
下の画像の左端に飲料の自動販売機がチラリと映っていますが、これも2008年当時には無かったものです。

越後下関駅の1番ホームその1
越後下関駅の1番ホームその2
1番ホームの坂町方から見た越後下関駅構内、上は2004年8月、下は2017年5月撮影。
1番ホームは米沢方面乗り場です。
2004年当時は昔ながらの駅名標が健在でしたが、2017年時点ではこちら側に駅名標自体設置されていません。
駅名標の数も減らして経費節減というところでしょうか。
まぁ米坂線の場合は、そのように判断されても仕方ない状況なのですけれど。
またホーム上の国鉄以来の白線は消されて、黄色の太線が代わりに引かれています。

越後下関駅の1番ホームその3
1番ホームに接する駅舎周りの様子、2005年8月撮影。
このホームの上屋は駅舎全幅と跨線橋間に架かっています。

1番ホーム脇の旧貨物引込み線跡その1
1番ホーム横に今も残る頭端式の旧貨物引込み線跡、2017年5月撮影。

1番ホーム脇の旧貨物引込み線跡その2
旧貨物引込み線は米沢方の本線と接続していました、2017年5月撮影。

越後下関駅の1番ホームその4
1番ホームの跨線橋手前から米沢方を見通す、2017年5月撮影。
跨線橋出入り口の幅は近隣の越後金丸駅にかつて設置されていたのと同じレベル。
当駅はかつての急行列車停車駅で米坂線内では今泉、小国両駅に次ぐ大駅なのですが、跨線橋を見る限り凡百の無人駅と変わらないのです。

越後下関駅の跨線橋内部
跨線橋内部の様子、2013年6月撮影。
内部も出入り口同様に無人駅レベルの狭さです。
壁にポスターが貼られているのが唯一有人駅としての格を感じさせます。

跨線橋上から見た構内の坂町方面
跨線橋上から構内の坂町方を見る、2017年5月撮影。
2番ホームの裏手(画像左側)は一面の田圃。
古き良き日本の田舎の風景は今も変わりません。

跨線橋上から見た構内の米沢方面
跨線橋上から構内の米沢方を見る、2017年5月撮影。
坂町駅から越後平野の東端を進んできた米坂線は、当駅発車後すぐに勾配区間に入ります。

越後下関駅の2番ホームその1
2番ホームの坂町方から見た構内、2017年5月撮影。
跨線橋からこちら側は列車が停車せず完全に遊休化しています。
ホームの黄色い太線と後方確認用のミラーがそれを厳然と物語っています。
かつての米沢線の王様であった気動車急行「べにばな」(「あさひ」)の全盛期は5両編成で、この短いホームにクリームと朱色の車体を余すところ無く乗付けていたことを想像してみると、今日の列車の姿はやはり寂しい・・・。

越後下関駅の2番ホームその2
跨線橋下から構内の坂町方を見る、2005年8月撮影。
米坂線の列車がワンマン運行になる以前の頃で、後方確認用のミラーはホーム上に未設置です。
典型的千鳥配置の2本のホーム、構内の外れにポツンと置かれた場内信号機、裏手の田圃の海。
明治から昭和初期の鉄道絵葉書に描かれた「停車場」そのままの情景です。
なお、現地で伺ったところによると跨線橋が置かれる以前はホーム間を構内通路で連絡していたそうで、2番ホームの坂町方端部はスロープ状になっていてその面影が今も残っています。

越後下関駅の2番ホームその3
2番線の小国方から構内を見る、2008年4月撮影。
このホームは坂町方面乗り場です。
こちら側には上屋は無いのですが、旅客流動的にはこちらで列車を待つ客が多いでしょうに。
冬は結構な降雪のある地域なのですし、跨線橋出入り口から待合室までの上屋は架かっていた方が旅客サービス上良いのは間違いないところ。
さらに言えば、列車交換以外は駅舎に接する1番線に列車を発着させるようにすればよいのですが、当駅の場合は2018年6月現在でも上下でホームを厳密に分けて使用しています。

2番ホーム脇の遺構らしきもの
2番ホーム脇の遺構らしきもの、2017年5月撮影。
現地で伺ったところによると、昔はここにも貨物の引込み線が引かれていたとの事。
以前から何やら匂う空間だなぁと思っていましたが、やはりそうだったのですな。
しかしこの凹形の遺構は一体何なのだろう?

2番ホーム上の待合室内部
2番ホーム上の待合室内部、2013年6月撮影。
建築財産票によると、完成は昭和12年5月です。

踏切から見た越後下関駅構内
米沢方の踏切から見た駅構内の様子、2008年4月撮影。
信号機の存在は当駅の列車交換設備が健在であることを無言の内に示しています。
平成30年3月改正ダイヤでは、当駅で一日三回の列車交換が実施されています。
当駅での列車交換は10年前の時点では一日一回で、当時ネット上で当駅の列車交換廃止の噂が立ったものでした。
米坂線の列車密度や大雪が降った時は運休という実態から見て、坂町-小国間で列車交換駅が当駅と越後金丸駅、小国駅の3駅というのは過剰であるのは疑いようも無く、近いうちに当駅か越後金丸駅のどちらかの交換設備が撤去されるのだろうと私も当時思っていたところです。
列車本数が一日8本の只見線・小出-大白川間26.0kmにおいて列車交換駅が大白川駅のみで差し支えないのであれば、一日12本の米坂線・坂町-小国間32.4kmでは列車交換駅は小国駅ともう一駅あればまだお釣りが来るというものです。
そして当局が出した結論は、越後金丸駅の棒線化だったのです。
越後金丸駅で行っていた一日2回の列車交換が当駅に振り向けられる形になって、現在の列車交換回数に至ったというわけです。

陸橋から見た越後下関駅全景
同じく踏切の先の陸橋から俯瞰で見た越後下関駅全景、2008年4月撮影。
かつての亜幹線の拠点駅の全容を一望できるところであります。

越後下関駅に進入するキハ52形気動車
2009年春に引退したキハ52形気動車を先頭にした坂町行普通列車が2番線に到着、2005年8月撮影。

越後下関駅に進入するキハ58系気動車
今では思い出の彼方のキハ58系気動車主体の坂町行快速「べにばな」が2番線に進入、2003年11月撮影。
ここで昔の時刻表を紐解いてみると、昭和55年10月改正ダイヤにおける越後下関駅時刻表は下記の如し。

下り(坂町方面)
1121D 小国発坂町行 06:23発
1123D 越後金丸発坂町行 07:28発
121D 米沢発坂町行 08:29発
123D 米沢発坂町行 10:47発
急行べにばな1号 仙台発新潟行 11:34発
125D 米沢発坂町行 14:09発
127D 米沢発坂町行 16:42発
129D 米沢発坂町行 19:01発
急行べにばな3号 仙台発新潟行 19:57発

上り(米沢方面)
124D 坂町発米沢行 07:24発
急行べにばな2号 新潟発仙台行 08:26発
126D 坂町発米沢行 09:44発
128D 坂町発米沢行 12:58発
130D 坂町発米沢行 15:21発
急行べにばな4号 新潟発仙台行 16:41発
132D 坂町発米沢行 17:59発
9134D 坂町発越後下関行 19:39着(休日運休)
1132D 坂町発小国行 20:55発

一日上下18本の定期旅客列車が発着し、他に貨物列車も数本走っていたことでしょう。
一方、2018年3月改正ダイヤでは上下12本で最大編成は2両のワンマン運行、単行運行さえあります。
急行列車も貨物列車も遠い忘却の彼方。
かつての東北地方横断亜幹線の寂しく厳しい現実なのです。
JR東日本によると、米坂線の坂町-小国間の2014年度平均通過人員は191人。
JRの発足初年度の1987年度は864人だったので、約四半世紀で実に78%もの減少です。
只見線の小出-只見間はこの間に70%減で2014年度の平均通過人員は109人。
かつては只見線の三倍近い利用があった米坂線も、現在では二倍を切っている状態なのです。

越後下関駅に到着したキハ110形気動車
1番線に到着したキハ110形気動車単行の米沢行、2013年6月撮影。

越後下関駅から出発するキハ110+キハE120
2番線から出発するキハ110+キハE120二連の坂町行、2013年6月撮影。
2018年現在の米坂線用気動車はこの形式で統一されているので、飯山線同様に車両面での面白味はあまりありません。
しかし来年度から新潟地区には電気式気動車が導入開始予定で、米坂線の気動車にも大きな変革の波が押し寄せるかもしれません。

新潟交通観光バスの下関営業所の様子
新潟交通観光バスの下関営業所の様子、2017年5月撮影。
鉄道補完関係では、この営業所から路線バスの村上線と坂町線が出ています。
村上線は三角形の二辺を往く鉄道の坂町経由と異なり、山間の一辺をダイレクトに結ぶので利用価値が高いのですが(私は下関営業所-村上駅前間に二回乗車しましたが、旧女川村域を進む山間路線でなかなか味があります)、残念な事に運行本数は少なく、2018年6月現在は平日上下8本、土休日上下5本です。
坂町線は2018年6月現在で平日4往復、土休日は全便運休になっています。
小国方面へは鷹ノ巣線が設定されていて、越後片貝駅の手前3kmまで行けますが一日1往復で土休日運休。
それ以外の路線も本数は極く少ない過疎ダイヤで、それゆえか営業所構内も手持ち無沙汰の感強しです。

関川村のメインストリートの様子その1
関川村のメインストリートの様子その2
関川村のメインストリートの様子、2017年5月撮影。
コンビニも無く、人口6千人強の村の中心街としては少々寂しくも感じられますが、駅から米沢方面に500mも歩けば国道113号線上の「道の駅関川」があり、食堂やみやげ物店、温泉が併設されて賑やかです。
国道は交通量が多く、過疎ダイヤの米坂線とは明暗くっきり・・・。

渡辺邸の母屋
渡辺邸の座敷
「渡辺邸」の母屋と座敷、2008年4月撮影。
越後下関駅至近の観光スポットとして有名なのがこの「渡辺邸」。
岩船・村上に広く覇を唱えた豪農の館であります。
映画「蔵」のロケ地なのがキャッチコピーですけれど、「蔵」といってももう随分昔の話・・・。
私がここを訪れたのは2008年4月末のGW初日でしたが、朝イチ(AM0900)とはいえ、見学者は私の他に2名きり。

・・・ぶっちゃけて書いてしまうと、県内の他の豪農の館・笹川邸」や「目黒邸」に比べて見せ場がないというか何というか情緒に訴えるトコロが無いというか・・・。
笹川邸のような華やかさ(何しろ小大名に匹敵する経済力ですから)も、目黒邸の山間の素朴さも無いんですよねぇ・・・。
国道至近で道の駅も近く、温泉も車であればごく近いという立地条件には恵まれているので、邸公開に当たってのコンセプトを明確にすれば・・・とシロウトは感じるところ大なのです。

「荒川峡温泉郷」に至る橋から見た荒川
「荒川峡温泉郷」に至る橋から見た荒川の流れ、2008年4月撮影。
川はこの先蛇行しながら小国へ至ります。

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