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2008年3月 9日 (日)

消え逝く高度経済成長時代の残照

先日、今季の駅取材旅程作成にと時刻表2008年3月号を購入。
来る3月15日に実施されるダイヤ改正号なのですが、報道やネットで既に知っ
ていた事とはいえ、新しい時刻表のページに目に通してみれば、お馴染みの
列車のスジがきれいさっぱり消え失せていて、伝統ある列車の過去帳入りを
思い知らされた次第。

特に目を惹かれるのは寝台急行「銀河」と寝台特急「日本海(2号3号)」
の廃止。
実は私、鉄ヲタを自認しているにもかかわらず、「寝台列車」というものに物心
ついてからの通算で5回しか乗車した事がありません。
そのうちの2回が「銀河」乗車です。
(いずれも東京-京都間、二段式B寝台の利用)
ゼミの忘年会でなかなか解放してもらえず、真冬の東京駅の、発車ベルが鳴り
響くホームを全力疾走!酔っ払った息も絶え絶えで「銀河」に滑り込んだ事。
傷心旅行で奈良行きを思い立ち、「銀河」に飛び乗って深夜の東海道をぼんやり
眺めながらまんじりともせずに過ごした事。
たった2回の乗車機会ですが、両方とも実に思い出深い体験でした。

「銀河」の廃止については鉄ヲタのお歴々は「伝統の東海道夜行の灯を消すな!
」とか、「移動の選択肢を残せ!」などとおっしゃっておいでですが、きょうび、
シャワーも浴びれない、寝台は開放式の列車に好き好んで乗る一般客がどれほ
どいるのか疑問ですしねぇ・・・。
何日も髪を洗わずシャワーも浴びず、それでも平気な(隣席の一般人にとって
はいい迷惑!)、「列車に乗るのが目的」の鉄ヲタさんたちにとってはどーでも
いい話なんでしょうけれど、一般客はそうはいきません。翌日の仕事や活動に
備えて身だしなみを整えなければなりません。
乗車前に済ませておけばいいじゃないかとおっしゃる方もおられるでしょうが、
そんな都合がつく時ばかりでないのが実際のところです。
また「列車に乗るのが目的」で、「夜汽車の気分を・・・」と夜更かし更には
ほとんど徹夜で過ごす鉄ヲタさんたちは開放式寝台で一向に構わないのでしょ
うけれど、一般客はとにかく「寝たい」。安心安全に寝付ける環境が必須です
が、昨今の治安状況を見るに、開放式寝台ではその点で不安が付き纏いま
す。

一般客は「新幹線+ビジネスホテル」、エコノミー派は夜行バス。
あのような化石じみた設備、その割には明らかに割高な寝台料金。
全てにおいて中途半端、「伝統の夜行列車」という過去の栄光をを引き摺った
まま、JR各社それぞれの思惑もあって生かさず殺さず、社会情勢やライフス
タイルの変化から完全に取残されてただただ惰性で走り続けなければならな
かった可哀相な列車、それが寝台急行「銀河」なのでしょう。
廃止は必然であったと思う次第です・・・。純粋に感情的な話でいえば、名
残りは尽きませんが・・・。

一方「日本海」は、大気の状態が良いと阿賀野川鉄橋(新津-京ヶ瀬間)を通
過する独特の走行音が我が家からでもはっきりと聞き取れます。
今までは宵の口と深夜の2回、そして明け方にその音を聞く事が出来ました
けれど、これからはそれも半分になります。

「銀河」「日本海」、それに「なは・あかつき」。
かつての高度経済成長時代、その尖兵として身を粉にして働いたビジネスマン
が東へ西へと愛用していた列車が今回のダイヤ改正で永遠の旅に発ち、来春
には元祖ブルートレインである東海道スジ最後の生き残り「はやぶさ・富士」
の廃止も検討されているやに聞きます。
それ以外にも、かつての急行列車全盛期を支えたキハ58系気動車の引退が間近。

戦後日本が一番輝いていた時代、高度経済成長時代。
現代日本においてその光芒の残照を「生きた形」で見る事の出来た数少ない例
なのがこれら鉄路の古強者たち。
彼らの退場によって、日本がひたすら前だけを向いて、よりよき未来を信じて
一途に働けた時代も完全に歴史の一項になってしまいそうです。
戦後、最も「夢の無い」時代に最も「夢を見させてくれた」モノが消えていきます。

Kiha5801
消え逝くキハ58系気動車。大糸線・頚城大野駅にて。

Kiha5802
米坂線・越後下関駅にて。

Kiha5803
米坂線・越後大島駅にて。

Kiha5804
磐越西線・馬下駅にて。

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鉄道」カテゴリの記事

コメント

ども。zenzoです。
銀河の件 昨夜から今日かけてニュースでやってましたね。
いち早く記述に残すとは さっすが!みさっち様。時代の先取りですな。。。っとおだてておいて。。
さて。
みさっち様記述のとおり 時間短縮の新幹線や割安の夜行バス
さらに格安のホテルの出現で利用率が4割程度とか。 
商売は利益がないと成り立たないからですからねぇ。。
一時期もてはやされたスター選手のように 時代の流れとともにその姿を消して行く。
老兵はそっと去り。やはり時代の流れですかねぇ。さみしいかぎりです。
話はコロっと変わりますが 写真のキハ。いいすね~ぇ。
写真に撮ると キハの走るところは電化されていないところが多いので
山間、森林、河川、緑地 どこでもきれいですね。
写真に架線が写らないというのもいいのかも。。
あ。ベージュに赤(朱)の車体色がいいのかなぁ。
味があって好きです。^^

投稿: zenzo | 2008年3月16日 (日) 21時43分

「銀河」の最終日、やはり「葬式鉄」の沸き具合は凄まじかったようですねw。
たいして思い入れもないのにバカみたいに騒ぐ輩の映像は見苦しいの一言。
苦々しい思いでニュースを見てました。

キハ58系は私のところでもいつまでその姿を見れるかどうか・・・。新潟地区に残るのは3両、内2両は昨年工場から出場してきましたので来年度(2008年度)はなんとか
大丈夫かなぁと思っておりますが、その先は全く予断を許しません。

zenzoさんがおっしゃるように、気動車の色はやっぱり
国鉄色で無粋な架線柱のないか細い田舎の小道を健気に走っている画がいいんです!
またバカ騒ぎな奴らが湧いてくるイベント列車ではなく、何の変哲もない定期ローカル列車に運用されているのがいいん
です、生活臭溢れた姿がもう堪りません!
今回うぷの画像だと上から二番目と四番目がそうなんですけど、四番目の画は昨年のお盆、墓参帰りに偶然撮れたもので、まさに天佑モノの貴重なひとときでした。


投稿: みさっち | 2008年3月18日 (火) 22時15分

ども。zenzoです。
『銀河』の件。確かにそうですね。
まぁ。昔から日本人は「最後」とか「限定」ものに弱いと言うか。。怖いくらい妙な大騒ぎをしますよね。。
てか。最近の方が その度合がひどい感じがします。
みさっち様のおっしゃるとおり その「銀河」の件
>(たいして思い入れもないのにバカみたいに騒ぐ輩)
私もそう思いました。それと同様なのが
廃線が決まった最終時の路線でもそうですよね。 
スポーツ面なんかでは 優勝間際のプロ野球球団に やたら「にわかファン」が増えたり
ワールドカップの○○ジャパンの応援なんかも サッカーや野球が好きでもないのに周りと一緒にバカ騒ぎしたり。
政治関連の云々なんかでは なんだか解らないけど メディアが大騒ぎしてるから 乗っかって批評したり。。
本当の自分の意思がない と言うか メディアや情報に惑わされ、振り回されすぎて ちゃんと自分の目で見て理解しようとしていないんですよね。
すごーくもったいないことです。
それがすべて悪いとは言いませんが 今の世の中は 
なんだか解らなくても「自己主張を強くする」ことが「良いこと」みたいになっていますね
それより私は「自己意志」というものをもっとちゃんと持ってほしいと思います。
自己主張と自己意志。。似てるようでも ちと違う。^^

毎度ながら長文、意味不明な文で申し訳ござらん。TT

投稿: zenzo | 2008年3月19日 (水) 22時57分

情報番組で納豆がダイエットにいい(納豆だけ食っていれば
痩せられる)という捏造にこんろりだまされ、事が判明すれ
ばヒステリックに大騒ぎ。ちょっと考えればそんな都合のいい話、あるわけないのに・・・。
中国からの輸入食品がヤバい事は、情報のアンテナをほんの
少し高めていれば数年前からわかっている事なのに、ギョー
ザの一件からヒステリックに大騒ぎして、国産野菜の価格は
その影響で暴騰。
財源のアテもないのに「生活第一!」と吹きまくる民主党と
その提灯持ちのマスコミに煽られ乗せられて投票した挙句、なんでもかんでも政局にされて国会空転、国民生活に支障をきたしかねない現状。

卑小な例から国家の将来にかかわる例まで、滑稽な程メディアに乗っけられてヘタこいてます。
昨日エントリーの児童ポルノ法改正も、「こどもを守れ!」
というそれ自体は批判の余地の無い大義名分を掲げて、そよ
風にもなびく葦のような、個としてよって立つ柱の無い一般大衆をだまくらかし、人権擁護法や外国人参政権賦与と共に、表面だけ見れば大変美味しそうな毒饅頭を食わせるつもりなんでしょうね。
今回ばかりは事の剣呑さを後になって理解して騒いでも、時すでに遅しなんですけどね・・・。

さて本来「自己主張」とはある程度の知識と、個人としてこれだけは譲れない精神的、思想的柱がしっかり立っていて初めて成されるべきものだと私は思っております。
それはzenzoさんのおっしゃる「自己意志」に近いものなのかもしれません。
しかし速報性が求められるネット世界においては、事象のごく表層のみを捉えて騒ぎ立てる事が「自己主張」だと錯覚されがちです。
個人のブログを見ていると、ホントにそう感じます。
メディアやネット(特に2ちゃん)の受け売りの実に多い事!。
何かあったらすぐに書く。
すぐに書きたいので自分で主張の裏づけにする調査検索は
しない。
記事の大半はヨソからの引用、自分の意見はその下に数行。
オリジナリティはありません。
これが当世流の「自己主張」の正しい形なのでしょう。

・・・なんて大上段に書いたものの、私も所詮は無責任な
「自己主張」厨の群れの一頭に過ぎないので、これ以上エラソーな事は言えません(滝汗)。

投稿: みさっち | 2008年3月20日 (木) 20時05分

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