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2007年6月 2日 (土)

E653系いなほ羽越路を往くか!?

山形県と新潟県が共同設置したJR羽越本線の高速化と地域活性化検討委員
会(委員長・家田仁東京大大学院教授)は28日、第4回会合を鶴岡市の東京
第一ホテル鶴岡で開き、最終報告書案をまとめたそうです。最適とした新潟駅
の上越新幹線と羽越本線を同じホームで乗り換えられるようにして、カーブ部分
を緩やかにするなど在来線を改良する方式の総事業費は204億円と試算との
事です
→http://www.yamagata-np.jp/newhp/kiji_2/200705/28/news20070528_0348.php。

北陸新幹線・長野-金沢間開業による対北陸需要の消滅から生じる上越新幹
線県内区間の閑散化・枝線化問題・・・通称「2014年問題」への対策として検
討されてきた、羽越線の高速化による山形県庄内地方へのアクセス強化の方
向性がようやく定まってきましたが、今回の最終報告案、県財政の逼迫を踏ま
えてリアリズムに徹したものになっております。

上越新幹線とのホーム対面乗換えは新潟駅高架化事業(2015年供用開始
予定)に乗っかったものですし、車両は新造ではなく他線区からの転用。
新潟-酒田間には単線区間が63.5km(当該区間延長168.2kmの約
37.8%)残存していますが、その解消は図られずに山形県新潟県境付近
で概成している新トンネルの活用についても先送りだそうです・・・。

羽越線高速化沿線自治体の人口は下記の通り。

新潟市   809,803人  
新発田市  103,610人
胎内市    33,309人
荒川町    11,225人
神林村    10,103人
村上市    30,649人
山北町     7,243人
鶴岡市   143,983人
庄内町    24,495人
酒田市   116,694人

また特急「いなほ」停車駅の一日当たり乗車人員は下記の通り。

新潟駅   (新潟市)  37,050人
豊栄駅   (新潟市)   3,184人
新発田駅  (新発田市)  4,520人
中条駅   (胎内市)   1,368人
坂町駅   (荒川町)     845人
村上駅   (村上市)   1,978人
府屋駅   (山北町)     184人
あつみ温泉駅(鶴岡市)     218人
鶴岡駅   (鶴岡市)   1,449人
余目駅   (庄内町)     647人
酒田駅   (酒田市)   1,793人

人口28万5千人で特急停車三駅の一日当たり乗車人員合計が3,900人強
の山形県庄内地方。決して多いとは言えない地域人口を考えれば今回の最終
報告案も落ち着くところに落ち着いたと言えましょうが・・・。

車両は転用となると、現在営業運転中の交直流型特急電車がその対象になり
ます。
候補は現在常磐線で活躍中の651系とE653系の二車種。
651系は1989年に営業運転を開始していて、羽越高速化の2015年には
車齢26年、仕様が耐寒非雪構造の為に羽越線投入に際しては耐雪化改造
が必要で、残余車齢を考えると費用対効果のバランスが悪いです。
E653系は1997年に営業運転を開始、羽越高速化時の車齢は18年。
他線区への転用を考慮して耐寒耐雪構造になっているとの事で、基本編成短
縮(需要を勘案して現在の7両→6両に変更でしょう)改造のコストも残余
車齢の若さを考えれば吸収できるでしょう。よってこちらが本命かと思います。
北陸新幹線・長野-金沢間開業時のダイヤ改正時、常磐特急に651系と
E653系共通の後継特急電車を新造投入し、651系は波動輸送用に転用し
てE653系は基本編成短縮化改造の上、羽越線に暫定投入。
それにより現在「いなほ」と新潟-金沢間運転の「北越」に運用中の485系
リニューアル編成は新潟-上越間に設定されるであろう新幹線接続快速列車
専用とし、老朽化の目立つ485系未リニューアル編成は廃車というのが想定
される車両関係の筋書きかと考える次第です。

さて、羽越高速化に関連して疑問に思うのは陸羽西線(新庄-余目間)と
羽越線(余目-酒田・鶴岡間)をミニ新幹線化して、対東京以外に山形県内
主要都市連絡用として位置付けて、改めてできなかったものかということです。
高速化と所要予算のバランスを考えれば、高速運転区間の長い上越新幹線と
高速化に際し、既にある程度のインフラが整備されている羽越線の組み合わせ
が妥当なのでしょうけれど、山形県の県土軸整備充実の観点から言えば、県の
主要都市を縦走する山形新幹線酒田延伸のほうが・・・。
(羽越高速化にして欲しくて辛抱たまらん新潟県北地域の事情は横に置いて)

新庄-余目間は電化・標準軌化と列車交換駅の一線スルー化(速度について
は予算上、電車化による向上以上のものを要求しない)、余目-酒田間につい
ては既に複線である事から標準軌と狭軌の並列単線、余目-鶴岡間について
は単線区間の鶴岡-藤島間(6.6km)を複線化した上で並列単線化、ミニ新
幹線列車は余目で分割併合という形で・・・勿論私ごときド素人が考える事な
ど、専門家や識者の方はこのような案を検討した上で却下したものと
思いますけどね。

これを書くに当たり、酒田・鶴岡-山形間の公共交通事情はどうなっているの
だろうと調べてみました。
JRの場合、酒田-新庄間は最速の快速列車で50分強、新庄-山形間がミニ
新幹線「つばさ」で40分台後半。新庄駅で乗換え所要10分として1時間50分
程度で結べるはずなのですが、実際は上り列車の場合、最短で2時間6分、
最長で2時間49分。
新庄での乗換え待ち合わせが平均約30分という、鉄道利用をほとんど考慮
していないようなダイヤになっておりました(ちょっとオドロキ)。
乗車機会は毎日7往復です。
なお運賃と特急料金の合計金額は¥3,550(指定通常期)になっております。

一方高速バスはというと、酒田-山形間に毎日6往復が運行されていて、所要
時間は2時間30分、運賃は片道¥2,650(往復だと¥4,600)です。
新庄での待ち合わせの心理的遅延効果とコストを考えると、高速バスに軍配が
上がります。
これが鶴岡-山形間となると、JRでは余目でも乗換えが必要になり心理的遅
延効果は更に悪化、一方高速バスは同区間を1時間49分で結び、運転本数
も一日10~14往復。
運賃は片道¥2,400(往復だと¥4,200)と完全に勝負あった格好です。

もし酒田・鶴岡-山形間がミニ新幹線で結ばれたなら、その推定所要時間は1
時間30分前後、運賃・料金合計は¥4,180(指定通常期)になります。
鶴岡ではちょっと厳しいかもしれませんが、酒田からなら所要時間とコストのバラ
ンスもまずまずとれていて、JR利用客も増えるのかなぁなんて考えますけど
(往復割引の企画きっぷを設定すればなおの事)。
その辺も踏まえた上での駄目出しなんでしょうけどね・・・。

また山形県は山形盆地と庄内の仲があまりよろしくないなんて話もちらちら聞き
ますけど、
(廃藩置県後のゴタゴタが尾をひいてるのかなぁ、ホントのところはどうなの? 
教えて山形県の人!)
それが事実なら酒田・鶴岡-新庄間のミニ新幹線化ボツに関しての心理的要因
なのかなぁとつまらない邪推をしてみました。

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