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2007年5月29日 (火)

ベネズエラで今我々が見出しつつある事

ベネズエラ軍は27日、反政府的とされる民放テレビ局RCTVの放送設備を
接収した。
同局が明らかにしたそうです
→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070528-00000533-reu-int

このテレビ局、ベネズエラで最も視聴率が高いんだそうですが(娯楽番組が多い
んですかね、それともチャベス大統領の昨年末の再選が実は不正な御用選挙で、
国民も内心彼のやり方に辟易しているから?)、当局は軍を派遣して国内の中継
局を掌握したそうです。

また、

ベネズエラのララ通信・情報相は28日、チャベス大統領の暗殺を教唆したとして
反体制的なニュース専門テレビ局グロボビジョンを、また、大統領を国際テロ組織
アルカイダと関連付けたとして、 米CNNをそれぞれ検察当局に告訴したそうです
→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070529-00000028-jij-int

私は以前チャベス大統領についてのエントリーをあげていて、その時点では
従来の左翼・共産主義者と異なって、草の根からの兵士上がりで実体験をベース
にした反米という事で見るべきものもあるとちょびっとシンパシーを感じていたので
すが(私は反中呆朝ですが嫌米志向でもあります)、やはり所詮左翼は左翼、
反対分子は決して許さない器量の小ささだったのですね、正直失望しました
・・・。

すでに再選直後にはかの独裁者アドルフ・ヒトラーばりの「授権法」なる法律を
議会の全会一致(野党のボイコットで議会はオール与党だって・・・もはや完全に
大政翼賛体制ですね)で可決させ、自分の一存で議会を通さずに法律を制定
できるなんて無茶苦茶な事をやっていますしね・・・。

民主主義の形はその国の歴史や文化、国民性に応じた多様多様なもので
あって、どこぞの超大国が我に習えと押し付けるべきものではないと私は思い
ますが、民主主義が民主主義たる由縁である価値感の多様性の尊重、言論
結社の自由は断固守られなれればなりません。
そうした事を踏まえ立脚していく事で初めて基本的人権という概念が社会に
深く根をおろし育っていくものだと考えておりますが、ベネズエラで現在起こって
いる事はまごう事なく逆行現象です。

反対派のクーデターで権力を、いや生命すら失いかねなかったという苛烈な
体験からくるチャベス氏の強権志向も心情としては理解できなくもないです
が、現在の彼は単なる「政治志向」から踏み外れて「権力という魔物に魅入ら
れた」状態です。
・・・ニーチェ曰く「怪物とたたかう者は、みずからも怪物とならぬように心せよ」
富と権力を独占する怪物・富裕層と保守層と戦う為、浮かばれない一般大衆の
為に立ち上がったはずなのに、気がつけば己自身が富と権力の魔物と成り果て
てしまったのが今のチャベス大統領の姿なのでしょうか。
そして、あの国で現在我々が見出しつつあるのはポピュリズムと民主主義の
退化、そしてその鬼っ子としての全体主義体制の誕生、一時の排外的ナショナ
リズムの狂態の中で進んだ民主主義の「合法的な」死、今から七十数年前に
ドイツで起こった出来事のデジャブであるのかもしれません。

現在は主要産業の国有化(外国資本の追放)と土地改革による貧困層への
土地分配など、反米ナショナリズムという即効性の麻薬の注入と支持層への
飴配りに余念がないようですが、体制の根本が非寛容的色彩の濃いもので
ある以上、一時の狂熱が冷め、飴も尽きた後に来るのは洋の東西を問わず
全体主義体制お決まりの反対勢力に対する血まみれの弾圧・・・
「灼熱の鉄で毒草どもを刈り取る」と、体制内の穏健派に対する「反党宗派
分子」「CIAのスパイ」「人民の敵」のレッテル貼りでしょうか・・・。

また我々が注意すべきはこの体制が将軍サマとの取引に熱心である事。
ウィキペディアによればかの国の副大統領は昨年の北朝鮮による日本海への
ミサイル発射を支持、石油の輸出にも積極的な意思を表明しているとの事。
チャベス氏本人が発言しないのは流石にあの犯罪国家と関わる事の外交的
リスクを考えて諸外国(とりわけベネズエラの友好国)の反応を探る為なので
しょうが。
石油の代価となるのは北人民を派遣しての石油産業における奴隷的労働提供
なのかはたまた米国の軍事的圧力に対抗する為の弾道ミサイルなのか、
いずれにせよその動向に要注意です。

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コメント

親米。正確には親英の私はベネゼエラが目障りです。
あのような大衆迎合的な政策がいつまでも上手くいくはずがありません。

民主主義と社会主義は両立しません。
多様な価値観を認めれないから。
社会主義って金持ちに対する嫉妬を肯定することを前提に成り立っています。べネゼエラはその典型。嫉妬は人間の感情のなかで最も恥ずべき劣情。劣情に基づく制度は必ず破綻します。

投稿: アラメイン伯 | 2007年6月 1日 (金) 22時39分

アラメイン伯さん、しばらくです。

>劣情に基づく制度は必ず破綻します。
おっしゃる通りだと思いますけど、チャベス氏を支持する貧困層の
生活ぶりは目を覆いたくなるひどさでしたからねぇ(BSドキュメン
タリーで見ました)・・・。
あの恵まれない貧困層が社会主義的政策を支持するのは、皮膚感覚
として理解できますし、またあのような伝統的に「勝ち組負け組」が
固定化されている封建的社会構造を変革するには、チャベス氏のような
豪腕、特権剥奪の社会主義的政策が必要なのもわかりますが・・・。

投稿: みさっち | 2007年6月 2日 (土) 00時06分

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