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2007年5月26日 (土)

新幹線並行在来線問題

2014年度末に予定される北陸新幹線開業に伴い、JRから経営
分離される並行在来線(信越本線、北陸本線)の存続問題で、
上越市議会の最大会派「毘風」(早津輝雄代表)は24日、
存続に向けた巨額の財政負担は困難とし、
並行在来線の経営分離後の実質的な廃線や、「ほくほく線」の
新幹線新駅・上越駅(仮称)への延伸などを求める「提案書」を
まとめた。
25日にも、提案書を木浦正幸・同市長や県など関係機関に提出
する。
→http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=3&newsNo=224

運賃を現行の1.6倍にアップしてなお、大幅な赤字は避けられない
(公的負担は30年間で386億円との事)と言われる北陸新幹線
並行在来線新潟県内区間について、上越駅(現・脇野田駅)-
直江津間以外は鉄道廃止、バス転換を図るという提案です。
鉄道ヲタとしての私は「公益性ある鉄路の灯を消さないで、
交通弱者を守って!」なんですが、生活者としての私は
「黒字転換などまず無理、いずれは支えきれなくなる事必至な鉄道は
無傷のうちに思いきって・・・」とも思いますし、なんとも複雑な胸の内で
ございます・・・。

ウィキペディアによると、信越線県内区間有人駅の2005年度
一日平均乗車人員は下記の通り(起点の直江津駅は除く)。
春日山駅 (上越市)  484人(官庁至近)
高田駅  (上越市) 2512人(上越市商業・文化・観光)
脇野田駅 (上越市)  135人(北陸新幹線・上越駅)
新井駅  (妙高市) 1358人(妙高市中心)
二本木駅 (上越市)  208人(旧中郷村中心)
関山駅  (妙高市)   246人(かつてはレジャー客で賑わったが・・・)
妙高高原駅(妙高市)   481人(旧妙高高原町中心)

この区間の全駅で下車し、駅前をほっつき歩いた私(土日のみですが)
ですが、活気があるのは高田駅と新井駅のみ。
その新井駅にしても駅前はぶっちゃけ寂れてしまっていてコンビニの
一軒もない状況。
二本木、関山両駅周辺は人の影を見る事もなく、一緒に乗降する
人も片手で数えられたほど(一時間に一本の電車なのに)。
妙高高原駅も人影はまばらで駅前のみやげ物店もシーズンオフに
行った事もありますけれど、閑古鳥の鳴く状態。
「鉄道が廃止されると商店街が寂れて~」という声もよく聞きますが、
ぶっちゃけ高田駅以外は既に寂れてしまっていて、道路沿いの
ロードサイドショップに地域商業の核は移ってしまっています。
電車に乗ると乗り具合はまずまずでも、多くは長野県側から高田、
直江津へ行く乗客。都市間利用客は新幹線が開通すればそちらに
シフトしてしまいますし、在来線を引き継ぐ三セク鉄道の運賃60%
アップとなればエコノミー志向客は高速バスに流れていってしまうで
しょう。

残されるのは通学客とバスの苦手なお年寄り。
頼みの通学客は少子化により今後は減る一方、また公共の福祉という
錦の御旗を人質にされれば通学定期の割引率を早々下げる訳にも
いきませんので、三セク鉄道の収入増には貢献しません。
長野県と一緒に妙高・黒姫の観光キャンペーンを張って少しでも
お客を・・・
と思っても、昔と違い高速道が整備された現在では例え観光客の
関心を惹いたとしても直接バスで来るか、長野、上越両駅まで
新幹線で来てバスに乗り
換え直接現地へ。
新幹線-三セク鉄道-バスなんて乗換えの面倒なプランなんて
余程の鉄道好きでもない限りパスですからね、新幹線と高速道が揃って
いては、観光利用に三セク鉄道は考慮外でしょう。

高齢化社会でお年寄り人口が増えれば公共交通利用も・・・と
考えたいですが、皆様もよくお分かりのように人間一度楽な環境
(クルマで好きな時間にドアツードア)にどっぶり身を置いてしまえば、
電車利用などなかなか・・・。
そしてこれから高齢者になっていくのは、高校を出て免許取って以来
ずっとクルマに乗ってきたような人たちです。
国や地方がお膳立てしたクルマ社会に乗っかって生きてきた人たち
です。
人身事故を起こして痛い目でも見ない限り、衰えてなおハンドルに
しがみつくのは人間の欲求として当然の業。
65歳以上のドライバーの免許更新は徹底した適性再検査を義務付け
でもしない限り、過疎地方において老人が公共交通、
ましてや遠い駅にわざわざ出向かなければならない鉄道に戻ってくる
事は期待できないでしょう。
年老いて衰え、いずれクルマを運転できなくなる日が来る、その時に
代わりになるアシはもうない。
若い頃、クルマ社会に乗っかる事を選択して代わりのアシはとっくの昔に
「乗らない」という行動で切り捨ててしまったから。
なんだか・・・クルマ社会に乗っかってお気楽に生きてきた地方住まいの
我々にツケがのしかかってきた格好ですね、復讐するは我にありって
こういう事?

・・・まぁ、そんな事をとりとめもなくつらつらと考えると、そんなお先真
っ暗な鉄道、特に新井-妙高高原間はバス転換でも止む無しなのか
なぁ、鉄道ヲタとしては誠に残念な事でありますが。

一方北陸線直江津以西については、日本海縦貫線の1エレメントで
あり、鉄道貨物の大動脈であるから信越線とは事情が異なり廃止など
言語道断!という声があります。
しかしそれは日本の公共交通を俯瞰的、大局的見地から見た場合の
意見であって、良くも悪くも地域エゴに徹する地方議会の議員諸氏が、
「お国の為だからおまいら大赤字をひっかぶって我慢汁!」
と言われてハイそうですかと納得するはずもありません、地域住民も
勿論そうです。

彼らは地元にカネの落ちない貨物の事など考慮の外であり、地域の
旅客需要と鉄路の維持に必要な経費の費用対効果に基づいて
存廃を論議するのみです。
国策として環境にやさしいモーダルシフトが叫ばれ、その有力なシフト先と
して鉄道貨物輸送があるのに、その鉄路維持にわずかばかりの公的支援
以外は全部地方持ちでやれという、ゼネコンが孫受け会社に利益など
ほとんど出ない状況で仕事をやらせ、一方それによって生じる責任は
全部孫受けに丸投げにしてホルホルっていうのと同じ構図に思えます、
旅客輸送大赤字必至の半民会社に国策だからと路線の死守を一方的に
求めるっていうのは。
並行在来線と貨物輸送の問題、これは同じ痛みを持つ青森県や岩手県、
鹿児島県とスクラムを組んで国により一層の救済措置を求めて断固談判
していかねばなりません。
そういう事を再考する点においても、今回の提案は単なる暴論とは
片付けられない綺麗事無しの率直な議論の叩き台となるのではと
思う次第です。

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