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2006年6月 9日 (金)

イラクとソマリア

イラクのマリキ首相は8日、イラク聖戦アルカイダ組織を率いるザルカウィ
容疑者が、米・イラク軍がバグダッド北方で合同で実施した攻撃により、
死亡したことを発表しました。

ザルカウィ氏のやり方に反発していた連中が、米国に居場所を密告、
その情報に基づき、彼が潜んでいる建物を爆撃して~という事の顛末
ですが、出来れば殺さずに逮捕し、彼とその組織のファナティックさを
世界中に知らしめてから罰を与えたかったでしょうが・・・。
米軍の攻撃で死亡したとなれば、間違いなく彼は「恥知らずな異教徒の
卑劣な罠にかけられた殉教者・英雄」になるでしょうしね・・・。
イラクの一般市民も彼の無差別テロで多くの犠牲者を出していますから、
逮捕して衆人環視の元で裁判ショーでもやれば、イラク国民の憎悪は一時的
にせよ彼に向けられ、米軍に対する敵対心のガス抜きにもなったでしょうが、
死んでしまったら、時を経るに従い「不信心者どもと戦った」という側面のみが
拡大・純化されて「殉教者・英雄」として正当化され、彼に続く者が次々に
現れる事になります。

・・・しかし、アメさんたちはイラク戦争の後始末、どう決着をつけるつもりなん
ですかね。
やらずもがなの戦争で、フセイン大統領の情け容赦のない鉄拳で封じ込めら
れていたパンドラの箱(シーア派・スンニ派・クルドの半端じゃない対立)を
開けちゃって・・・。
そもそも欧米的な「国民国家」じゃないのに民主主義を無理強いするもん
だから、皆が皆「オレオレ!!」って言い出して収拾が付かないよ・・・。
米国にとって一番ベストだったのは、フセインとその取り巻きのみを排除した
上でバース党による「緩やかな」イラク統治の継続を認めて国内の混乱を
最小限に抑え、米国の死活的利益としての油田の確保を確実なものとし
つつ、十~二十年を費やす覚悟で諸宗派・諸地域間対立をソフトランディングに
導き、それを持って米国流価値観の正しさを、頑迷な周辺諸国に知らしめると
いうシナリオだったのでは?と私は考えるところですが・・・。
石油を確保しなきゃならないから、ベトナム戦争の時のように「政治的に旗色が
悪くなったら傀儡政権を見捨てて逃亡~後は野となれ山となれ」は出来ない
ですから、このままずぶずふか・・・「民主主義を下賜する」が建前ですので、
例え米国の犬であっても、独裁政権はXですしねぇ、落としどころが見つから
ないんだよなぁ。

「イスラム原理主義」に関してはもう一つニュースが。
マコーマック米国務省報道官は7日、ソマリアの首都モガディシオ
を制圧したイスラム原理主義勢力「イスラム法廷」から米政府が書簡を受け
取ったことを 明らかにしました。

国が四分五裂して凄惨な殺し合いと無秩序の中、イスラム原理主義勢力が
首都を制圧・・・って、かのタリバンと同じ成り行きですな。
元々かの国の大半の国民はイスラム教徒との事で、戦乱と無秩序の中に
あっては、信仰に唯一の救いを求める人々に耳触りのよい宗教勢力に有利で
ありましょうし、とりあえずの秩序の回復には、オマル氏がビンラディン氏に
「キXタマ握られる」以前のタリバンが成功していたように、過剰とも思える厳格な
宗教律の強制は有効でしょう。
「原理主義」といっても、宗教の原典にのみ忠実に従うという考えはキリスト教徒
の中にも存在しますしね。
(昔読んだ「核戦争を待望する人たち」って本には、終末の日に自分たちが
「空中携挙」されたいが為に全面核戦争が勃発するのを心待ちにしている米国
のキリスト教原理主義の一派の存在が描かれていました。
日本人から見ればクレイジーとしか思えない連中ですが、米国政界にもそれなり
の影響力があり、かのレーガン大統領も片足突っ込んでたとか色々・・・。
彼らはレーガン政権の対ソ強硬政策が、ソ連をキレさせて全面核戦争にもって
いけるとして熱烈に支持したそうです。
全面核戦争で、我々のような不浄な外国人や不信心人者どもが滅んだあと、
「至福の千年王国」を彼らの手で作り上げるんだとか)

閑話休題
原理主義=過激派とストレートに捉えるのは適当ではないですから、「イスラム
原理主義勢力」を名乗るからといって、闇雲に敵視する必要はありません。
第ニのタリバン(外国に対するテロの温床)の轍を踏ませないように、まずは
民生の安定を最優先とし、現地の人々があらかたそれで納得しているので
あれば、宗政一致の体制について民主主義がどーたらこーたらなどと文句は
言わない(我々と彼らとでは国家国民に対する意識も価値判断の基準も大きく
異なるのですから)のが肝要かと存じます。

余談ですが、ソマリアという国、「英国植民地」と「イタリア信託統治領」が統合
して成立したのだそうで・・・「イタリアの信託統治領」!?
第二次大戦までのイタリア植民地であった「ソマリランド」を戦後も国連の信託
統治という形で保持していたそうで、同じ枢軸国でも、徹底的に吊るし上げられ
て身ぐるみ剥がされた我が国やドイツとは扱いがエラい違いだなぁ~と、この事
を知った時はぶっちゃけ驚きました。
イタリアは戦況が不利と見るや「この戦争はドゥーチェのオXニーだから」ととっと
と止めて、連合国の「共同交戦国」に華麗に転身、昨日の友は今日の敵とばかり
に我が国に宣戦布告して賠償もめざとくゲットした国ですからねぇ~。
非常に賢明ではあると思いますが、日本人の心性ではちょっと理解し難い面多々
なのも事実です。

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