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2006年1月28日 (土)

タイフーンJはいかが?

大手総合商社が防衛庁・航空自衛隊が導入を計画している次期主力戦闘機
(FX)の売り込みに動き出しました。→http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20060127AT1D280C326012006.html

記事を読むに、伊藤忠は米海軍の最新鋭機・F/A-18E/Fスーパーホーネッ
ト、住友は英・独・伊・スペイン共同開発戦闘機タイフーン、三菱商事が米空軍
最新鋭&世界最強の戦闘機F-22ラプターで決まりかと。
他に名前の挙がっていたF-15Eストライクイーグルシリーズ、仏空軍最新鋭
戦闘機ラファール、現在空自に配備中の支援戦闘機F-2の改修型は正式に
選から漏れたという事なのでしょうか。

平和民主反戦派の方々は、新戦闘機導入に絶対反対!なのでしょう。
また今中期防の見直しで、財政上の要請から新戦闘機導入計画中止=要撃
飛行隊2個削減という事もあり得ない話ではありません。
私の見るところ、三沢の支援戦闘飛行隊1個と百里の要撃飛行隊1個を削減
して、代わりにF-2支援戦闘機に対し、早急にアクティブレーダー誘導空対空
ミサイル運用能力を付与というのが防空上、削減許容ギリギリ(有事の際の
予備的戦力を失う事になりますが)の線と愚考する次第。
一方で、空自は保有するF-15のうち約半数に大規模な近代化改修を実施する
計画を進行中ですけれど、この計画、予算難でペースがひどく遅く、このままでは
計画完遂は不可能な状況・・・。
新しい玩具に飛びつくよりは、例え戦闘機の数を減らしてでも、限られたリソース
をF-15(及びF-2)の近代化改修に振り向けて計画の早期完遂を計ったほうが
・・・という思いもあります(メーカーの人的資源の問題で、例え予算が潤沢に振り
向けられても、年間こなせる数は限られるそうですが)。

総額一兆円の調達予算・・・、差し当たって導入が必要な機数が60機前後です
ので、一機当たり160億円台。ラプターFMS導入(輸入の事)の場合、一機
当たり160~180億円とも言われておりますから、本命は巷の憶測通り、
ラプターなんでしょうね。

ただ、ラプターの場合、米国の軍事航空技術の結晶(高ステルス性、スーパー
クルーズ能力<燃料をバカ喰いするアフターバーナーを使わずに超音速飛行
/巡航可能>、最先進のレーダーFCS/戦闘システム)であり、日本のように
スパイ防止法もなく、米国の仮想敵国にデータが流出しかねない国への売却に
米国議会が許可を出すかどうか・・・。
つい先日も国産の新型地対空ミサイルのデータが朝鮮総連に流出なんてアブ
ない事があったばかりだし。
米空軍とメーカーのロッキード・マーチン社は、このままでは2009年辺りで議会
承認済みのラプター生産を終了してしまいますので、引き続き日本向け機体の
生産でライン維持に数年の時間稼ぎが出来れば、その間に自軍向け追加生産
計画を認めさせる目も出てきますから(現に、高価格ゆえ必要な機数を揃えられ
ないラプターを補って、数の上での米空軍主力戦闘機となる予定のF-35がいろ
いろキナ臭くなってきているようで・・・米空軍としてはF-35の調達機数を減らし
て、代わりにラプターが欲しいようです)日本への売り込みに異論はないのでし
ょうけれど。
メーカーはシミュレーター持参で来日、しかるべき筋に話をしたそうですしね。

現状ではラプターに従来のライセンス生産方式を認めるなどもっての他でしょう
し(技術的にも、ステルス関係の機体艤装を日本の技術力で再現可能か?と、
ド素人の私は思ってしまいます。
それにもしライセンス生産となった場合の価格は一機200億円台半ばが予想され、
いわゆる「売国」系以外のまともな議員諸氏の間でも是非の議論の的になるのは
必至)、ステルス性を大幅にダウングレード、レーダーFCS/戦闘システムの能力
もスペックダウンした”Type J”(モンキーモデルというヤツ)導入が落としどころでしょうか。
空自の場合、基本的に日本周辺での戦闘行動のみになりますから、オリジナルの
ラプターほどの高ステルス性は必要ないように思われますし、レーダーFCS/
戦闘システムも、要撃任務に差し障る事がなければスペックダウンも一部機能の
制限も許容内、ただ、減少する戦闘機勢力を補う意味でも、従来の戦闘機を大き
く凌ぐ超音速巡航能力(ターゲットへの短時間での会敵が可能)は譲れないで
しょうね。

他の候補2機種はというと・・・、スーパーホーネットはぶっちゃけ
「F-2とどこが違うの?」。
多種多彩な兵器運用能力があるといっても、その中で空自が使うのはJDAM
(GPS誘導爆弾)ぐらいで宝の持ち腐れ、一方で国産の空対空/空対艦ミサイル
運用の為の改修が必要、空自の要撃システムに組み込む為の改修も必要だし、
空中給油のやり方も米空軍式の空自とは異なり、肝心の飛行性能も要撃戦闘機
として使うにはちょっと?。
それでも安価で済むのならまだ我慢も出来ましょうが、米海軍向けの価格が一機
80億円台となると、ライセンス生産のそれはF-2の価格120億円を超えるのは
確実。
F-2の場合、日米共同開発という事で生産すれば米国に一定の金額がいって
しまって、日本のメーカーにとってあまり美味しい商売ではないなんて話も聞き
ますが、納税者の立場から言えば、性能的に大差なく、しかも高価格の機体を、
カネ使って新しくライン作って生産なんてのはちょっとなぁ。

一方タイフーンは・・・巷では米空軍とのインターオペラビリティ(相互運用性)が
どーのこーのとか、米国製以外の機体は整備性がどーたらこーたらと、最初から
当て馬扱い、採用の目はないと言われ放題。
でも前者に関して言えば、エンジン(欧州製)以外国産の支援戦闘機F-1を
運用してきたし、後者は戦闘機の性能や価格とのコストパフォーマンスの問題で
あろうし。

タイフーンは米国製兵器システムとの親和性が比較的高く(互角の性能と言われ
る仏のラファールは全て”メイド・イン・おふらんす”なので親和性ナシで融通が
効かない、だからこれまで輸出実績ゼロ、買うとしたら中国ぐらい? でもそう
なれば米国が黙ってないゾ)、飛行性能自体もスーパーホーネットよりは明らか
に上。
機体の基本設計も、ベースが1970年代半ばでその分今後の伸び代も期待
できないスーパーホーネットに比べこちらは1980年代後半で今後の発展性も
それだけ大きい。
現時点では完全なマルチロール機じゃないから駄目なんて人もいるけど、空自
に必要なのはとりあえず空対空/艦なワケだし、つい先日サウジアラビアとの
商談がまとまって一息ついた格好ながら、今後の商戦も依然苦戦が予想される
タイフーンのメーカー各社からすれば、日本からオファーがくればそれこそ渡りに船。
こちらは対米国の「売ってくださいませんか」的ノリじゃなく「買ってあげてもいいよ」
的な強気な交渉態度で高レベルの技術移転(特にエンジン)を勝ち取り、先進兵器
及び技術を中国に売らないように一札入れさせる事も出来るかもしれない。
ライセンス契約だって、やり方次第では相当の譲歩も引き出せるかも(少なくても
「売ってやる」ノリの米国メーカーよりは)。
向こうは「これまで米国製一辺倒だった日本が採用する程優れた戦闘機」をセー
ルストークの格好の材料に出来る。
日本のような大国が採用したという実績は、大英帝国時代のコネで売り込んだ
ソレとはインパクトがケタ違いですから、もし輸出の競争相手である(最近色々
良くない噂のある)F-35が開発計画縮小→比較的安価とされてきた価格の
上昇という事にでもなれば、タイフーンも日本の採用という金看板をバックに、
改良型の売り込みに成功という目も大いにあり得るワケで、我々にとっても彼ら
にとっても、得るところは大きいかと。

という事で、本命はラプター、もしラプターの輸出がNGであればタイフーンJの
ライセンス生産というのが、私の希望するところであります。・・・けど実際は、
ラプター駄目ならスーパーホーネット押し付けられるんだろうなぁ・・・。

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コメント

はじめまして。まったく同感です。
F-22は高いし他のアメリカの機体は設計が古いです。
何よりヨーロッパの防衛産業との結びつきが強くなることが大切です。

投稿: アラメイン伯 | 2006年10月11日 (水) 13時00分

はじめまして。
私は2ちゃんの関連スレにエントリーの趣旨の
事を時々カキコして観測気球上げているんです
が、反応はすこぶる芳しくないですね(笑)。

北朝鮮がいまいましくも核実験をやらかした
事で、ファントム代替のFX選定事業も大きな
影響を受けそうです。
このままですと、北朝鮮のノドンミサイルへの
核弾頭装着という最悪の事態を想定して、
来年の中期防見直しにあたっては、MDの能力
向上や増強が盛り込まれる可能性がかなり
高いと思われますが、防衛予算自体は現状
維持できれば音の字でしょう。

空自においても、PAC3の増強が検討されましょう
が、予算の問題でそれと引き換えにFX導入中止=
戦闘飛行隊2個削減という事態も絵空事ではなくなってきたように思います。
FXを予定通り導入できたとしても、MD絡みで
軍事面での一層の対米追随は避けられず、対米
配慮からタイフーン導入の目は残念ながら無く
なったかと・・・。
PAC3増強となれば、ラプターの導入は財政的に
無理でしょう。
そうなると機動性やステルス性に目をつぶり、
AAMキャリアーとして割り切った上で、従来型
イーグルと共通性が高く(実際は相当違うよう
ですが、スーパーホーネットに比べれば)、ライ
フサイクルコストで比較的安価に済みそうなスト
ライクイーグル要撃型の導入が現実的なのかも
しれません、今更あのような旧式設計の機体を
導入せざるをえないとは、空自当局の人も慙愧に
たえないでしょうけれど・・・。
その際はアビオもMSIPイーグルの近代化改修と
共通として調達数を増やし、両機種のトータル
コストを可能な限り引き下げる事が必要かと
思います。

投稿: みさっち | 2006年10月11日 (水) 22時42分

専門的な、お話ありがとうございます。
やはり無理ですかねぇ。
私はMDの予算を捻出するためにF-22をタイフーンにして、陸自のTK-Xの開発を中止してアメリカの機嫌とるためもあってストライカーMGSかスティングレイを購入する。
海自はバカ高い護衛艦の建造やめてミサイル艇にする。
ここまでしたらMD予算を確保できると思ってたのですが・・・・

ストライクイーグルは北朝鮮を空爆するためにはいいかもしれませんね。

投稿: アラメイン伯 | 2006年10月12日 (木) 08時24分

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