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2005年11月 5日 (土)

ウゴ・チャベスといふひと

ベネズエラのチャベス大統領が11/1、同国空軍の保有するF-16戦闘機の
中国など第三国への売却を示唆しているそうです。
機体の保守部品売却を怠っているとされる米国への対抗措置のようです。→http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/051102-235731.html

人喰いワニがうじゃうじゃいる沼の上で、ワニにべろへろばーしながら綱渡り
しているようなもんですよ、これは・・・。
いくらなんでもこういう煽りはヤバいんじゃないかなぁ。
あの国のF-16は初期のタイプで、いまさら中国に渡ったところで、軍事的に
は大した事にならないと思いますが、米国製のそれなりに有用な兵器を公然と
潜在的敵国に引き渡した事例は今までありませんからね~。
政治的にはインパクトデカ過ぎ。
実行したら一線を越える事になりそう。
ベネズエラには石油供給の件もあるし、悪の枢軸認定して軍事侵攻という
最悪の事態も・・・。

ベネズエラは長らく二大政党(中道左派の民主行動党とキリスト教民主党)
による議会制民主主義が機能しておりましたが、フィリピンなどにも見られる
ように、多数派である社会的弱者の民意を反映しない、特権階級層に都合の
よいものだったようです。
そんなかの国の閉塞した政治情勢に風穴を開けたのがウゴ・チャベスという漢。
元軍人で、左翼ゲリラとの戦いの中で、真に打倒すべきは帝国主義(よーする
に米国のこと)であるとの結論を導き出した反米左翼であり、かつ愛国者である
という人物です(このあたりが、日本の反米左翼=特定の全体主義国家への
奉仕者という図式と異なりますな)。
その彼が1998年の大統領選でこれまでの通例を打破して当選、特権階級側
のクーデターを阻止して、政権基盤を確固として反米姿勢を明確に表し、敵の敵
は味方だとばかりに中国や北朝鮮に接近し、今回のようなヤバそうな事を口に
出すに至っております。
昨年、NHK-BSでヨーロッパ(確かフランスだったような)製作の、2002年
のクーデター騒ぎの舞台裏のドキュメンタリーを見ましたが、石油収入で我が世
の春を謳歌する特権層と貧しいまま社会の底辺で喘いでいる多数派の社会的
弱者のあの差は一体何なんだ?と唖然としました・・・。
中南米の大半の国はあんな調子のようですが、あれでは衆愚政治だなんだと
言われようと、チャベスのような人物に人気が集まるのも当然か・・・。
ただ、チャベス側に明らかに偏った視点で製作されているのも事実なので、
その辺は多少割り引いて考えるのも必要ですがね。

それにしても・・・ベネズエラは冷戦期には中南米における反共の砦として、
また石油の一大供給拠点として米国から重視され、80年代に当時の新鋭
戦闘機F-16を売却するほど肩入れされていた国だったのに。
(米国は冷戦期とその後数年、中南米に対する先進武器提供を行ってきま
せんでした。彼らに与えるのは中古兵器か輸出専用に開発された=安価だが
同時期の米軍正式兵器に比較して性能は劣るモノで、英仏から新型兵器の
輸入は出来ましたが、米国のように政策上の要請で安く売るなんて事はしま
せんので、特に戦闘機は高価=数をなかなか揃えられないという問題があり
ました。現在は米国といえどメーカーを食べさせていくのに汲々としています
から、チリにF-16の比較的新しいタイプを売却、ブラジルの新戦闘機計画
に新型機の売り込みをかけたりしています)
そんな国に米国の大好きな自由選挙で反米左派政権が誕生するあたり、
彼らの中南米支配の矛盾を露呈した、ヤンキーどもにとっての度し難い事例
と言えましょうか。

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